株価指数先物【寄り前】 25日線水準での押し目狙いのロング対応

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -440 (-1.15%)
TOPIX先物 2640.5 -31.5 (-1.17%)
シカゴ日経平均先物 37535 -545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。足もとで強い上昇が続くなか、23日の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとのムードが強く、利益確定の売りが優勢となった。ただし、9月の米連邦公開市場(FOMC)で利下げ観測や、米景気の後退懸念の和らぎを背景に底堅さがみられた。

NYダウはボーイング<BA>の下げが重荷となった。最新鋭の大型機「777X」の飛行試験を中止したと伝わったことが嫌気され、4%超下落している。ナスダック指数、S&P500指数は9営業日ぶりに下落。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジー、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギー、半導体・同製造装置、銀行が下落した。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比545円安の3万7535円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円安の3万8030円で始まり、直後に付けた3万8090円を高値にロングの解消が優勢となり、米国市場の取引開始直前には3万7730円まで売られた。売り一巡後は3万7980円まで下落幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけてショート優勢となり3万7470円まで売られ、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。米国では21日にFOMC議事要旨が公表されるほか、米労働省の労働統計局(BLS)が米雇用者数の基準改定値を発表する。23日のパウエルFRB議長の講演に影響を与える可能性があるとして、これを見極めたいというムードもあった。為替市場ではドルが売られ、ドル・円は1ドル=145円台と円高に振れて推移するなか、東京市場でも持ち高調整の動きが入りやすい。

昨日の日経225先物は一時3万8270円まで買われ、前日の下落分を埋めたほか、16日の戻り高値3万8140円を上回った。ナイトセッションで3万7470円まで下げる場面もみられたが、下向きで推移する25日移動平均線が3万7430円辺りで推移しており、同線が支持線として意識されそうだ。また、これを下回ったとしても3万6950円辺りに位置する200日線が支持線として機能すると考えられ、25日線を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

BLSが発表する米雇用者数の基準改定値は、大幅に下方改定されるとみられており、予想通りとなれば円高基調が強まる可能性がある。積極的なロングは限られるとみられ、25日線を挟んでの攻防になりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定する。ポジションを傾けにくい需給状況のなか、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。

20日のVIX指数は15.88(前日は14.65)に上昇した。前日に75日線(14.76)を下回ってきており、200日線(14.27)に接近していたが、いったんは反発しやすい水準であろう。神経質にさせる可能性はあるが、20.00を下回っての安定水準であるため、ショートに傾けるポジションは避けておきたい。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に上昇した。14.19倍に位置する200日線を上回って推移し、これまでの14.00倍〜14.20倍辺りのレンジを上放れてきた。本日は利食い優勢のなかでトレンドは出にくいとみられるが、円高基調が強まるとTOPIX型が売られる可能性がある。200日線水準での底堅さがみられる場面では、その後のNTロングを想定したスタンスに向かいやすい。