日経225先物 37640 -450 (-1.18%)
TOPIX先物 2649.0 -34.0 (-1.26%)
シカゴ日経平均先物 37650 -440
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。午前に発表された8月の米ミシガン大学消費者態度指数が67.8と、前回(66.4)から上昇。1年先の期待インフレは2.9%と前回と同じ、5年先の期待インフレが3.0%と横ばいだった。足もとの経済指標や小売企業の決算を受けインフレが落ち着きをみせるなかで、米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待が相場を支えた。
ただし、主要株価指数が8月初旬の急落前の水準を回復したこともあり、主力株の一角には利益確定の売りが出やすく、週末要因もあって持ち高調整の売りが上値を抑える場面もみられた。S&P500業種別指数は電気通信サービス、銀行、自動車・同部品が上昇した一方で、ソフトウエア・サービス、消費者サービス、資本財が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比440円安の3万7650円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万8050円で始まり、寄り付きを安値にロング解消の動きが優勢となり、米国市場の取引開始直前には3万7290円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は押し目待ち狙いのロングが入って下落幅を縮め、米国市場の取引開始後は3万7500円〜3万7840円辺りのレンジで推移し、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、利食い優勢で始まりそうだ。先週末には1440円と大幅な上昇で節目の3万8000円を回復したこともあり、急ピッチの上昇に対する反動安が意識されやすい。16日のリバウンド局面では200日移動平均線(3万6860円)を上放れ、25日線(3万7900円)を突破してきたことで、いったんは達成感からの利食いも入りそうだ。
25日線はナイトセッションで3万7710円辺りまで低下しており、同線を挟んでの推移が見込まれる。同線を下回って推移するようだと、短期的にはショートを誘う動きに向かわせそうである。米国では22日〜24日にジャクソンホールで年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が開催される。23日には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行う予定である。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が高まるなか、パウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとするムードが強まる可能性がある。今週も米国市場の影響を受けやすい状況とみられるが、米国ではジャクソンホール会議を前に持ち高調整が強まる可能性もあり、その場合には東京市場でも積極的なロングは手控えられるだろう。
ただし、16日のVIX指数は14.80(前日は15.23)に低下した。5日に付けた65.73をピークに低下傾向を強めており、不安心理が高まるとされる20.00を明確に下回ってきた。現時点ではジャクソンホール会議に対する過度な警戒感の高まりはみられず、ショートに傾けるポジションは避けたい。
そのため、日経225先物は25日線を挟んだ推移から、オプション権利行使価格の3万7250円から3万8250円処のレンジを想定する。なお、利食いが強まる局面では、200日線辺りが意識されるため3万7000円〜3万7750円、一方、リバウンド基調が強まるようだと75日線を射程に入れた3万7750円〜3万8750円辺りでの推移に切り替えたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍を上回って始まり、14.19倍辺りで推移している200日線を捉える場面もみられた。引き続き、14.00倍〜14.20倍の直近のレンジ内での推移であり、明確なトレンドは出ていない状況である。