・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:2702万7000円、上限募集額:9317万7000円 |
・ | VC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | みなし時価総額:3億375万円 |
・ | 類似上場企業:日本電解 <5759> [東証G]、クオルテック <9165> [東証G]、ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証G]、モルフォ <3653> [東証G]、テックポイント・インク <6697> [東証G] |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
3次元MIDで日本の製造業再興を
(出典:FUNDINNO)
センインテクノロジーズの川﨑篤志代表はNEC <6701> [東証P]で半導体セールスの基礎を学び、米シリコンバレー駐在経験を通じて、グローバルな視点とスタートアップの可能性を感じ、新たな事業の創造に注力してきました。
その後、国内で3次元MID(3次元メカトロニクス統合デバイス)事業の立ち上げに携わり、2021年10月にセンインテクノロジーズを設立。半導体業界の知見と新規事業開発のノウハウを生かし、3次元MIDを通じて、日本の製造業再興を目指しています。
同社は、3次元MID技術を中心とした革新的な電子部品の開発・製造・販売を行っています。
3次元MIDは従来の平面的な電子回路基板に代わり、3次元の立体的な形状に直接、回路を形成する技術により、さまざまな製品の小型化・軽量化・高性能化を実現するそうです。用途として、医療機器、自動車、センサーなど幅広い分野に応用可能な部品を提供しており、顧客のニーズに合わせたカスタム製品の開発も行えます。
同社は設計から製造まで一貫したサービスを提供するほか、国内パートナー企業と連携し、新しい製造技術の開発と普及に取り組んでいます。
「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【成長のための課題】
3次元MIDの認知度はまだ低いため、デバイスに応用する発想さえ持っていない潜在的な顧客が多い。3次元MIDの技術的優位性の普及に努めるとともに、技術や営業人材の確保、育成が急務。
【解決方法】
・大規模展示会への積極的な出展
・デジタルマーケティングの強化
・生産体制の拡充
内視鏡や自動運転車への活用を見込む
(出典:FUNDINNO)
「MID」は「Mechatronic Integrated Device」の略で、射出成形品に配線を施した製品を指し、特に3次元配線された製品が3次元MIDと呼ばれます。
3次元MIDは機構部品としての機械的な機能、配線基板としての電気的な機能を持ち合わせており、さまざまな製品内部の部品スペースの削減が可能。従来の平面基板より大幅に軽量化・小型化し、組み立て時の工数も削減できるそうです。
また、電子部品を理想の位置に配置できるため、高密度な実装だけでなく、電気的なノイズや周囲の環境の影響を最小限に抑えられるといいます。
「こうした特徴から、3次元MIDは技術的に困難とされていたさまざまな課題解決を促せると考えています」(同社)
例えば、内視鏡の先端にAI搭載型のカメラを接続するには大型化が不可避ですが、3次元MIDを活用すれば、従来のサイズのまま高機能化を実現できると同社は見込んでいます。
また、自動運転の実用化が進む自動車では安全確保のため、360度全方位をカメラで確認する必要がありますが、従来の技術では形状の制約から、高価かつ重量のあるセンサーが不可欠だったそうです。
「ここで3次元MIDを使い、小型化・軽量化することで、燃費性能の向上による環境負荷が低減できると考えています」(同社)
市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴
(出典:FUNDINNO)
2023年の世界のMID市場は約18億ドル(約2600億円)と推定されており、2024〜2032年は年率約14.2%成長、2032年には約53億ドル(約8200億円)へ成長が見込まれるそうです。
3次元MID技術を必要とする産業領域は医療機器や自動車のほか、センサー、IoTデバイスなど多岐にわたり、潜在的な市場規模は大きいと同社は考えています。「日本政府が推進する『Society 5.0』構想においても、高度なセンサー技術や小型デバイスの重要性が増しており、弊社技術にかかる期待はさらに広がるものと予測しています」(同社)。
同社は、MIDの想定活用シーンとして以下を挙げています。
医療機器 | ・内視鏡 ・カテーテル ・血圧計 ・歯科用3Dスキャナー |
自動車 | ・自動車用圧力センサー ・ステアリングなど自動運転を見据えた軽量化 |
IoT・ウェアラブルデバイス | ・補聴器 ・スマートウォッチなどの内蔵アンテナ ・ジャイロ・加速度・圧力など人間の動に関するセンサー |
航空宇宙 | ・ドローン ・空飛ぶクルマ ・耐熱性・耐久性のある樹脂製品への実装 |
「さまざまな分野で軽量かつ高精度、高性能な部品へのニーズが高いことから、将来的に『空飛ぶクルマ』など新領域での活用も期待しています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社の主力製品は、3次元MID技術を用いた立体回路基板です。独自開発の技術による配線の幅・間隔は0.1〜0.2mmと従来の約2/3程度で設計が可能。さらに、線幅0.01mmも開発を完了し、量産体制も構築しています。
「現在、従来の約1/100となる線幅0.002mmの開発にも着手しており、実用化できれば、より高精度なセンサーなどの製造が可能になると期待しています」(同社)
また、これまで、3次元設計ではCADデータとの誤差の大きさが課題でしたが、同社の寸法精度は±0.02mm程度に抑えられているそうです。
高い精度での実装を可能にしているのが「2ショット技術」という成形方法だといいます。
「この技術をさらに応用し、従来の決まった材料だけではなく、さまざまな材料、より複雑な立体形状への実装も実現しました。この技術は、組み立て時にセンサーなどの精密部品の設置位置がずれることも防止できます」(同社)
(出典:FUNDINNO)
顧客によって用途や使用部品の大きさが異なるため、製造に向けては、コンサルティング、デザイン、金型の作成、メッキや部品実装など、カスタマイズした個別のプロセスが必要だといい、同社は受託を受けた3次元MIDの開発・設計費用、製品販売を収益源としています。
「日本の伝統的な電機メーカーと異なり、弊社はファブレスでのビジネスモデルを構築し、成形、レーザー加工、メッキなど各工程に信頼できる製造パートナーが多くいます」(同社)
また、3次元MID技術の導入を検討する企業に技術コンサルティングサービスを提供し、製品化の可能性評価、設計支援、製造プロセスの最適化の対価として、コンサルティングフィーを得ています。
さらに、特許技術のライセンス供与を行い、独自の2ショット技術等について、国内外企業からロイヤリティ収入を見込んでいるそうです。
「これらのビジネスモデルにより、短期的には個別プロジェクトからの収益を確保しつつ、中長期的にはライセンス収入などのストック型収益の拡大を目指しています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
立体的な部品を製造する技術としては、3Dプリンタが知られていますが、電子部品のような高精度が求められる用途では、3次元MIDに及ばないといいます。
「3次元MIDは1980年代に登場した技術ですが、弊社では2ショット技術を用いて、垂直面や表裏に回路形成があるような複雑な形状の製品にも対応しており、効率的な量産を可能にしています」(同社)
同社は、3種類の特許をそれぞれ2カ国ずつ(日本・米国・中国で1件取得、5件出願中)申請しており、これらにより、3次元MID製造における電子機器のさらなる軽量・小型化・低価格化が可能に。
また、さまざまな顧客へのヒアリングや提案を通じて蓄積されたノウハウが最大の強みだといい、製造についても国内で設計・製造を行う一貫した体制を確立しており、「海外メーカーには、日本国内でこのようなきめ細かな対応と高品質な製造は実現困難と考えています」(同社)。
2024年、医療機器メーカーから引き合いがあり、歯科向け医療機器の量産開始が決定。他5件の産業機器が試作段階に進んでおり、近年中に販売予定です。
今後の成長に向けて
(1)2027年よりIPO準備開始
(出典:FUNDINNO)
(2)計画
まずは既に進んでいる医療向け・車載向け製品の開発を進めていく計画です。
3次元MIDは1つのプロジェクトに多くの年月を要するため、今夏より、大規模な電子機器や材料系の展示会に出展し、3次元MIDの知名度拡大を図りつつ、AIを用いた外観検査や設備投資など新規顧客候補に訴求して販路の裾野拡大を目指します。
IoTやウェアラブルデバイス、医療分野での顧客獲得に注力した後、自動車や空飛ぶクルマ、航空分野への展開を計画。特に医療分野で多くの引き合いがあるため、医療機器の小型化には需要があると見込んでいます。
また、デジタルマーケティングの拡充、具体的には、ウェブサイトの充実やメールマガジンなどによる情報提供を通じて、課題が顕在化していない顧客層へのアプローチを強化していく計画です。
「さらに、半導体関連の世界的な電子部品商社と代理店契約を結んでいます。同社の大きなネットワークを用いて、欧米など海外への販路を拡大し、製品の信頼性と有用性をアピールしていきたいと考えています」(同社)
(3)2031年に産業用途製品販売は年間約20万個を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、以下のVCおよびエンジェル投資家より出資を受けています。
・アジア電子部品投資事業有限責任組合(AIS CAPITAL株式会社設立)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・日本電解 <5759> [東証G]
・クオルテック <9165> [東証G]
・ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証G]
・モルフォ <3653> [東証G]
・テックポイント・インク <6697> [東証G]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
センインテクノロジーズ株式会社
東京都中央区日本橋本町三丁目11番5号
資本金:16,000,000円(2024年6月28日現在)
発行済株式総数:22,000株(同)
発行可能株式総数:50,000株
設立日:2021年10月1日
決算日:9月30日
※2024年8月5日を効力発生日として、普通株式500株の第三者割当を実施し、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は22,500株、資本金は19,375千円となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 川﨑篤志
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 6,902株
■募集株式の払込金額
1株あたり 13,500円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額2,702万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 1,500万円
試作開発外注費 608万円
手数料 594万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額6,615万円(目標募集額2,702万円と上限募集額9,317万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
広告宣伝費 500万円
人件費 2,269万円
試作開発外注費 1,390万円
設備投資 1,000万円
手数料 1,455万円
■投資金額のコース及び株数
94,5000円コース(7株)
189,000円コース(14株)
283,500円コース(21株)
378,000円コース(28株)
472,500円コース(35株)
945,000円コース(70株)
1,890,000円コース(140株)
2,835,000円コース(210株)
3,780,000円コース(280株)
4,725,000円コース(350株)
9,450,000円コース(700株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、472,500円コース(35株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,450,000円コース(700株)を上限とする。
■申込期間
2024年8月17日〜8月23日
■目標募集額
27,027,000円(上限募集額 93,177,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は74,466,000円とする。
■払込期日
2024年9月17日
■連絡先
センインテクノロジーズ株式会社
電話番号:070-3237-0175
メールアドレス:info@senitech.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼シリコンバレー出身の代表が創業。高精度な3次元MIDで精密機器が変わっていく「センインテクノロジーズ」