株価指数先物【寄り前】 75日線(3万8640円)が射程に入ってくる

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37700 +1050 (+2.86%)
TOPIX先物 2665.5 +66.0 (+2.53%)
シカゴ日経平均先物 37625 +975
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米小売売上高は前月比1.0%増となり、市場予想(0.4%増程度)を上回った。また、ウォルマート<WMT>が発表した2024年5〜7月期決算は、売上高が市場予想を上回ったほか、通期見通しを上方修正したことが好感され、NYダウを押し上げる形となった。

米小売売上高とウォルマートの決算を受け、米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待から景気敏感株を中心に買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、電気通信サービス、不動産、食品・飲料・タバコが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比975円高の3万7625円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万6690円で始まり、その後は3万6530円〜3万6700円辺りと、日中終値を挟んでの保ち合いを継続。7月の米小売売上高が発表されるとロングの動きが強まり、一気に3万7000円台を回復した。米国市場の取引開始後に一段高となり、終盤にかけては3万7570円〜3万7670円辺りでのレンジ推移が続くなか、3万7700円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。米小売売上高の発表を受け、200日移動平均線(3万6860円)を突破し、その後もウォルマートの決算を好感した米国市場の強い基調を追い風に上げ幅を広げ、25日線(3万7890円)に接近してきた。同線を突破してくるようだと75日線(3万8640円)が射程に入ってくるだろう。

週足ではボリンジャーバンドの-1σ(3万6880円)を突破してきたことから、-1σと中心値(13週)が位置する3万8550円とのレンジに移行する。そのため、オプション権利行使価格の3万6875円から3万8500円での推移を想定する。急ピッチのリバウンドによる短期的な過熱感のほか、週末要因から利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいとみられるが、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうであり、ショートは避けておきたい。また、レバレッジ型ETFの調整買いの動きも意識されそうであり、ヘッジ対応のショートカバーも強まりやすいだろう。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍と横ばいだった。14.10倍辺りで推移している75日線を下回って始まり、一時14.01倍まで下げる場面もみられた。ただし、14.00倍〜14.20倍の直近のレンジ内での推移のなか、終盤にかけてはリバランスの動きから75日線水準まで戻す動きだった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する可能性はありそうだが、全面高商状のなかでトレンドは出にくいと考えられる。

なお、VIX指数は15.23(前日は16.19)に低下した。一時14.77まで下げており、同水準で推移している75日線まで低下する場面もみられた。米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げが見込まれるなか、リスク選好に向かわせやすい。