9日の市場は日経平均が反発。終値は前日比193円高の3万5025円だった。前日の米国株が大きく反発した流れに乗って開始早々に840円高と買い進まれた。前場はそのまま高値圏を維持して取引を終えたが、後場入ると徐々に軟化し14時前には一時マイナス圏へ。3連休前の週末とあってポジションを落とす売りが一時的に増えたようだ。終盤は再び買い直されたが不安定さはまだ残っている。円相場は1ドル=147円前後とやや安めだが買い材料となるほどではなかった。
昨日の米国市場は景気の先行き懸念が和らいだことからダウ平均は大幅反発した。上げ幅683ドルは先月16日以来の規模。この日発表された週間の新規失業保険申請件数は前週から減少し事前予想をも下回った。先週はこの指標の悪化をきっかけに下げが加速したため、市場の景気後退への過度な懸念は弱まった。円安・ドル高の動きも続き円キャリートレードの急激な巻き戻しもほぼ収まった模様。市場の波乱要因がひとつずつ消え安定感を取り戻している。
さて、東京市場は米株高、円安の動きによって最近の不安感はかなり後退した感がある。今週5日の安値(3万1156円)はかなり行き過ぎたものであるとの認識も強まり、今後は押し目を拾う動きも出てきそうだ。一方、日米ともに7月高値をつけた時のようなバラ色の景色は当面見通せず、日銀の利上げ継続と米景気のソフトランディングの可否に注視していく方向性の乏しい相場となるだろう。(ストック・データバンク 編集部)