株価指数先物【寄り前】 52週線水準での攻防

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 35700 +920 (+2.64%)
TOPIX先物 2502.0 +43.5 (+1.76%)
シカゴ日経平均先物 35575 +795
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の23万3000件となり、市場予想(24万件程度)を下回った。前週に発表された7月の米雇用統計の弱い内容で高まっていた労働市場への警戒感が和らいだ。エヌビディア<NVDA>が6%を超える上昇で半導体株を牽引しており、マイクロン・テクノロジー<MU>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、アームホールディングス<ARM>などが買われた。

また、円相場は1ドル=147円台で推移しており、キャリートレードの巻き戻しが一巡したとの見方も、安心感につながった。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇しており、半導体・同製造装置、自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、メディア、運輸の強さが目立った。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比795円高の3万5575円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万4820円で始まり、直後に付けた3万4360円を安値に切り返し、3万5000円辺りでの攻防を経て、米国市場の取引開始直前には3万5400円台を回復し日中の高値を上回った。米国市場の開始後もロング優勢の流れのなか、終盤にかけて一時3万5750円まで買われており、3万5700円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。週足のボリンジャーバンドの-2σ(3万5580円)を上回ってきており、心理的な抵抗線である52週移動平均線(3万5790円)を捉えてくる場面がありそうだ。米国ではエヌビディアを筆頭に半導体株が買われているほか、東京市場では8日引け後に2025年3月期第1四半期決算を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]がコンセンサスを上回る進捗だったほか、通期予想を上方修正した。さらに配当予想も増額修正しており、日経平均型へのプラス寄与が期待される。

日経225先物は52週線を上回って終えることができれば、週初の急落部分がチャート上で長い下ヒゲを残す形状になるため、底入れ感が意識されるとともに、センチメントを大きく改善させることにつながるだろう。CTA(商品投資顧問)などはロングポジションを解消し、ショートに傾いているとみられており、カバーの勢いが強まる可能性がありそうだ。

また、日足のボリンジャーバンドでは-1σが3万5910円辺りに位置しており、同水準を捉えることができると、200日線が位置する3万6750円辺りがターゲットとして意識されてくるだろう。一方で、52週線水準での攻防から上値の重さが目立つようだと、週末要因のほか3連休に入ることもあって持ち高調整に伴うロング解消の動きが入りやすい。そのため、52週線水準を中心としたオプション権利行使価格の3万4750円から3万6750円でのレンジを想定する。依然として日中の価格変動が大きい状況ではあるが、徐々に変動幅は収束してきており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

昨日NT倍率は先物中心限月で14.14倍と横ばいだった。一時13.95倍まで下げる場面もみられたが、その後は14.00倍〜14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が牽引する形から、レンジを上放れてくる可能性はあるだろう。ただし、14.18倍で推移する200日線が抵抗線として意識される可能性もあるため、レンジを大きく上放れる局面においては、その後のリバランス狙いに向かわせそうだ。

8日のVIX指数は23.79(前日は27.85)に低下した。今週は5日に一時65.73まで急伸したが、直近の急変動からは落ち着きがみられてきた。依然として20.00を上回っていることから楽観視は禁物ではあるが、過度なリスク回避姿勢は和らいでいるだろう。