日経225先物 33370 +1990 (+6.34%)
TOPIX先物 2373.0 +173.5 (+7.88%)
シカゴ日経平均先物 33190 +1810
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前週末発表の7月の雇用統計が予想を下回ったことでリセッション(景気後退)懸念が強まり、週明けの米国市場でもリスク資産を圧縮する動きが広がり、世界的な株価下落が続いた。これまで相場を牽引してきたアップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が大きく売られ、NYダウの下落幅は1000ドルを超えた。
また、エヌビディア<NVDA>が6%超の下落となったほか、マイクロン・テクノロジー<MU>、アームホールディングス<ARM>など半導体株が弱く、ナスダック指数は支持線として意識されていた26週移動平均線を明確に割り込んだ。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落しており、テクノロジー・ハード・機器、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディア、小売の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1810円高の3万3190円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比310円高の3万1690円で始まり、一気に3万3170円まで買われた。買い一巡後は3万2100円〜3万2860円辺りで保ち合い、米国市場の取引開始直前には3万1140円と下落に転じる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後にプラス圏を回復すると中盤にかけて上げ幅を広げ、3万3830円まで買われた。終盤にかけては3万2830円〜3万3500円辺りで推移し、3万3370円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。5日の日中取引では4540円安と記録的な下落となったが、ナイトセッションの開始早々、自律反発の動きとなった。日中安値3万0370円から、ナイトセッションで一時3万3830円と11%超のリバウンドをみせており、いったんは目先的なボトム形成が意識されやすいだろう。需給状況が一気に悪化するなかで積極的にロングに傾けてくる動きは期待しづらいが、押し目狙いのスタンスに向かいそうだ。
7月のISM非製造業総合景況指数は51.4となり、活動の拡大と縮小の境目である50を上回った。5日の米国市場での反応はみられなかったが、景気減速の懸念が薄れることが期待される。また、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始を前に、緊急利下げの見方も浮上してきたようだ。そのほか、為替市場では昨日の日中に1ドル=141円台に突入していたが、現在は1ドル=144円台と円高が落ち着いている。ただし、明確な底入れには米国のリセッション懸念の後退を見極める必要がある。米経済指標の内容を確認しながらの対応になるため、しばらくはスキャルピング中心となろう。
日経225先物は週足チャートで3万0370円から3万3370円(ナイトセッションを含む)と、3000円幅での長い下ヒゲを残す形状となっている。これをキープする形で推移するようだと、52週線が位置する3万5740円辺りへの戻りが意識されてきそうだ。レバレッジ型ETFの商いが積み上がっていることもあり、リバウンドを強めてくると、ヘッジ対応のロングが強まる展開も期待されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円から3万5000円辺りのレンジを想定する。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。一時14.69倍まで切り上がり、3月4日に付けた14.84倍に迫った。全面安商状のなかでメガバンクや商社の下げが目立っていたこともあり、相対的にTOPIX型の弱さにつながったようだ。本日はナスダック指数が26週線を割り込んできたほか、大型テック株の下げが目立つなか、相対的にTOPIX型の優位の展開が意識されよう。
5日のVIX指数は38.57(前日は23.39)に上昇した。一時65.73まで急伸し、2020年3月以来の水準まで切り上がる場面もみられた。リスク回避姿勢に傾きやすいと考えられる一方で、セリングクライマックスが近づいてきたとの見方にもなりそうだ。