株価指数先物【寄り前】 日米金利差縮小で先回り的なショートに向かわせる

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36710 -1240 (-3.26%)
TOPIX先物 2622.0 -74.5 (-2.76%)
シカゴ日経平均先物 36845 -1105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。7月のISM製造業景況総合指数は46.8となり、前月(48.5)から低下し、予想(48.8程度)を下回った。米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件増の24万9000件となり、予想(23万6000件程度)を上回るなか、労働市場の減速による米景気懸念につながった。

前日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の利下げ開始を示唆したことが下支えとなる場面もみられたが、景気敏感株を中心に売りが広がった。また、この日発表の経済指標を受けて年内3回の利下げを織り込む動きが強まり、米長期金利は約半年ぶりに4%を割り込んだ。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、公益事業、不動産が上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、銀行が下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1105円安の3万6845円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万7910円で始まり、寄り付き直後に付けた3万7950円を高値にショート優勢のなかで3万7350円まで下落。その後はショートカバーが入り、米国市場の取引開始直前には3万7950円と日中比変わらずの水準まで戻す場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時3万6420円まで下落幅を広げた。終盤にかけてやや下落幅を縮め、3万6710円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まることになりそうだ。昨日は日中取引で1280円安となったが、ナイトセッションで1240円安と下へのバイアスが強まっており、需給状況は悪化。一気に200日移動平均線(3万6690円)水準まで下げてきたことからヘッジ対応のショートが入りやすく、押し目狙いのロングを慎重にさせそうだ。

ボリンジャーバンドでは-2σ(3万7020円)を割り込み、やや売られ過ぎが意識されてくる可能性はある。ただし、バンドは拡大傾向をみせていることから、3万5600円辺りまで下がってきた-3σ辺りが射程に入ってきた。また、週足の-2σ(3万6580円)まで下げてきており、52週線の3万5720円、-3σの3万5400円辺りが意識されてくるだろう。

なお、決算発表が本格化するなか、アップル<APPL>は1株利益が予想を上回ったとして、時間外取引で小幅に上昇しているが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>は売上高が予想を下回ったことから5%超の下落で推移している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株には重荷となりそうだ。

米国では年内3回の利下げを予想する動きが強まってきたことから、為替市場では日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが強まっている。日米金利差を狙ったポジションを圧縮する動きが加速するなか、為替動向にらみの相場展開になりそうだ。1ドル=150円を下回っている水準では輸出企業の業績下振れへの警戒にもつながってくることから、先物主導で先回り的なショートに向かわせる動きが警戒されやすいだろう。

日経225先物は200日線水準での攻防が見込まれ、売り一巡後は押し目狙いのロングも入りやすいところではある。ただし、オーバーウイークでポジションを持ち越す動きは考えづらく、引けにかけての一段安の可能性には注意しておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。全面安商状のなか、アドバンテスト <6857> [東証P]が1社で日経平均株価を200円超支えており、日経平均型優位となった。一時14.12倍まで上昇しており、25日、75日線が位置する14.09倍辺りを捉えた。本日は低下が見込まれるが、全面安商状のなかでは、大きく低下する動きにもなりにくいだろう。引き続きスプレッド狙いの動きは限られそうだ。

1日のVIX指数は18.59(前日は16.36)に上昇した。一時19.48まで切り上がる場面もみられており、20.00を上回ってくるようだと慎重姿勢に向かわせやすいと考えられる。4月19日に付けた21.36に迫るなか、積極的なロングを手控えさせよう。