【投資部門別売買動向】海外勢が現先合算で1兆5701億円と10ヵ月ぶりの高水準で売り越す (7月第4週)

●海外勢が現物・先物合算で1兆5701億円と10ヵ月ぶりの高水準で売り越す

東証が1日に発表した7月第4週(22日〜26日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米ハイテク株安や急速な円高進行が嫌気され、日経平均株価が前週末比2396円安の3万7667円と2週連続で急落したこの週は、海外投資家が2週連続で売り越した。売越額は5659億円と前週の2459億円から拡大し4月第3週以来およそ3ヵ月ぶりの大きさだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向でも日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で2週連続の売り越しとなった。売越額は1兆42億円と前週の5769億円から急拡大した。現物と先物の合算でも2週連続で売り越し、売越額は1兆5701億円と前週の8229億円から大きく膨らみ昨年9月第4週以来10ヵ月ぶりの高水準となった。証券会社の自己売買は3週連続で売り越し、売越額は2592億円だった。

一方、個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は5050億円と前週の2512億円から倍増した。過去最高の買い越し(9085億円)だった4月第3週以来およそ3ヵ月ぶりの大きさだった。相場の2週連続急落を受けて逆張り志向の強い個人は果敢に買い向かった格好だ。自社株買いが中心とみられる事業法人は4週連続で買い越し、買越額は2054億円だった。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行は3週ぶりに買い越し、買越額は256億円だった。

日経平均が2週連続で急落する中、海外投資家が現物・先物合算で1兆5701億円と10ヵ月ぶり高水準の売り越しだった一方、個人投資家は現物で5050億円の買い越しと買い向かった。

■投資部門別売買代金差額 (7月22日〜26日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
7月 ―――
第4週 ▲5,659 256 5,050 [ 2,753 2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)
第3週 ▲2,459 ▲257 2,512 [ ▲6 2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)
第2週 1,288 ▲733 ▲773 [ ▲2,763 1,989 ] 41,190円 ( +278 円)
第1週 1,836 518 ▲4,966 [ ▲5,110 143 ] 40,912円 ( +1329 円)
6月 ―――
第4週 1,239 15 ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)
第3週 ▲213 ▲1,914 1,899 [ 358 1,541 ] 38,596円 ( -218 円)
第2週 ▲2,494 1,562 853 [ ▲231 1,085 ] 38,814円 ( +130 円)
第1週 ▲1,986 ▲1,304 2,861 [ 354 2,507 ] 38,683円 ( +196 円)
5月 ―――
第5週 ▲1,126 ▲1,676 ▲887 [ ▲1,394 506 ] 38,487円 ( -158 円)
第4週 ▲1,139 ▲145 816 [ ▲711 1,527 ] 38,646円 ( -141 円)
第3週 383 472 ▲1,204 [ ▲1,964 759 ] 38,787円 ( +558 円)
第2週 2,636 89 ▲406 [ ▲1,121 714 ] 38,229円 ( -6 円)
第1週 1,745 247 ▲2,741 [ ▲2,537 ▲203 ] 38,236円 ( +301 円)
4月 ―――
第4週 2,159 1,666 ▲1,873 [ ▲1,468 ▲405 ] 37,934円 ( +866 円)
第3週 ▲5,924 ▲52 9,085 [ 4,507 4,578 ] 37,068円 ( -2455 円)
第2週 5,955 366 ▲2,053 [ ▲2,669 615 ] 39,523円 ( +531 円)
第1週 11,821 ▲7,887 6,347 [ 2,057 4,290 ] 38,992円 ( -1377 円)
3月 ―――
第4週 ▲2,126 ▲5,555 4,438 [ 2,823 1,614 ] 40,369円 ( -518 円)
第3週 960 ▲722 ▲8,726 [ ▲6,993 ▲1,733 ] 40,888円 ( +2180 円)
第2週 ▲875 ▲6,851 4,942 [ 2,364 2,577 ] 38,707円 ( -981 円)
第1週 1,763 ▲6,865 3,274 [ ▲513 3,787 ] 39,688円 ( -221 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。