株価指数先物【引け後】 日米金利差縮小を見込んだヘッジ対応のショート優勢

大阪9月限
日経225先物 37950 -1280 (-3.26%)
TOPIX先物 2696.5 -100.5 (-3.59%)

日経225先物(9月限)は前日比1280円安の3万7950円で取引を終了。寄り付きは3万8730円と、シカゴ先物の清算値(3万8655円)にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まった。直後に付けた3万8760円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤にかけて一時3万7730円まで下落幅を広げる場面もみられた。その後は前場終盤にかけてショートカバーも入り、下げ渋る動きとなったが、後場は概ね3万7960円〜3万8170円辺りでの保ち合いが続いた。

日経225先物は、結局のところ前日のリバウンド部分を帳消しにする形となった。米国では米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の利下げを示唆した一方で、日銀の植田和男総裁は見通しが実現すればさらなる利上げもありうるとの見解を示しており、為替市場では日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが強まった。前場中盤に1ドル=148円台まで円高に振れるなか、日経225先物へはショートの動きが強まったとみられる。

日米金利差縮小に伴う持ち高調整の売りにより、東証プライムの値下がり数は全体の9割超を占めた。全面安商状であるが、そのなかで上方修正を発表したアドバンテスト <6857> [東証P]が終日強含みで推移しており、日経平均株価を1社で200円超押し上げていた。前日には東京エレクトロン <8035> [東証P]が200円超押し上げる展開だったこともあり、指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けやすい状況である。ただ、アドバンテストが全面安のなかでも強い値動きが続いたことは、決算を手掛かりとした短期的な売買というよりは、実需の買いとみられるため、地合いはそれほど悪くないように映る。

米国では大型テック株の決算が本格化しており、1日の米国市場ではメタプラットフォームズ<META>の時間外での上昇の影響がみられるだろう。また、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>の決算が予定されている。為替にらみの展開が続くと考えられるものの、大型テック株の良好な決算が続くようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への押し目狙いに向かわせそうだ。

日経225先物は3万8000円辺りでの底堅さが意識されたが、ボリンジャーバンドの-2σは下向きで推移しており、3万7230円辺りまで切り下がってきた。円相場が一段の円高に振れてくるようだと、下向きで推移する-2σに沿った調整をみせてくる可能性は意識しておきたいところであろう。また、3万8570円辺りに位置する-1σが抵抗線となりそうだが、3万8000円水準での攻防が長期化してくるようだと、抵抗線が切り下がることになる。ターゲットについても、200日移動平均線が位置する3万6700円辺りとした見方も出てくるだろう。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。全面安商状のなか、アドバンテストが1社で日経平均株価を200円超支えており、日経平均型優位となった。一時14.12倍まで上昇しており、25日、75日線が位置する14.09倍辺りを捉えた。米大型テック株の決算を受けた値がさハイテク株の動向によって、両線を明確に上放れてくるようだと、NTロングでのスプレッドを狙った動きが入ってくる可能性がありそうだ。

手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万1317枚、ソシエテジェネラル証券が2万7775枚、サスケハナ・ホンコンが1万1998枚、バークレイズ証券が5215枚、JPモルガン証券が4517枚、モルガンMUFG証券が4049枚、SBI証券が3904枚、野村証券が3000枚、ビーオブエー証券が1877枚、シティグループ証券が1697枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が6万2041枚、ソシエテジェネラル証券が3万6726枚、サスケハナ・ホンコンが9106枚、モルガンMUFG証券が8120枚、JPモルガン証券が8035枚、バークレイズ証券が7334枚、ビーオブエー証券が7088枚、野村証券が5860枚、ゴールドマン証券が4600枚、BNPパリバ証券が4104枚だった。