日経225先物 38710 -520 (-1.32%)
TOPIX先物 2761.5 -35.5 (-1.26%)
シカゴ日経平均先物 38655 -575
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
31日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。注目された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利は据え置かれた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「早ければ9月に利下げする可能性がある」との見解を示した。この会見を受けてNYダウは一時7月17日に付けた最高値を上回る場面もみられた。だが、決算発表が本格化するなか、高値警戒感もあって終盤にかけて上げ幅を縮めた。
ナスダック指数は2.6%超と大幅に上昇した。「バイデン政権は新たな対中輸出規制で、日韓とオランダは適用が除外される見通し」と報じられたことを受けて、ASMLホールディング<ASML>が8%を超す上昇となったほか、決算が評価されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が買われた。また、前日に75日移動平均線を割り込んでいたエヌビディア<NVDA>も12%を超える上昇となるなど、半導体株に買いが広がった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売が上昇した一方で、銀行、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジーが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比575円安の3万8655円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比140円安の3万9090円で始まり、寄り付きを高値にロングの解消が強まり、一気に3万8400円台まで下落幅を広げた。その後は3万8450円〜3万8700円処で保ち合い、米国市場の取引開始直後には3万8390円まで下げ幅を広げた。売り一巡後は下落幅を縮めたものの、終盤にかけては3万8500円〜3万8940円辺りでの荒い値動きとなり、3万8710円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。昨日は後場中盤辺りから東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が急伸したことにより、ヘッジ対応のロングが入る形で75日線を突破し、7月25日の急落分を吸収した。いったんは達成感が意識されるうえ、為替市場で円高の勢いが強まっていることが重荷となるが、ナイトセッションの開始早々に急落していたため、ショートが強まるよりも押し目狙いのロング対応となろう。
昨日は東エレクが1社で日経平均株価を約210円押し上げたほか、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、TDK <6762> [東証P]、第一三共 <4568> [東証P]の5社で416円ほど押し上げていた。反動安は想定されるが、アドバンテストの上方修正がポジティブ視されやすく、売り一巡後はロングが入りやすいとみられる。ただし、アームホールディングス<ARM>は利益見通しが予想に届かなかったとして時間外取引で10%超下げており、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が重荷となる可能性はありそうだ。
そのため、日経225先物はオプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円のレンジを想定する。ボリンジャーバンドの-1σが3万8770円辺りで推移しており、同水準での底堅さがみられるようだと、再び75日線が位置する3万9000円を試すことになりそうだ。75日線を捉えると、ショートカバーが強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.02倍に上昇した。前場は指数インパクトの大きい値がさ株が弱い値動きとなるなか、一時13.89倍と前日の安値水準まで下げる場面もみられた。その後は、後場終盤からのハイテク株急伸の影響により、足もとの保ち合いレンジの上限を捉えていた。本日は朝方こそ低下してくる可能性があるものの、値がさハイテク株への押し目買い意欲の強さに対して、円高進行により輸出関連株は弱含むことが想定されるため、相対的に日経平均型優位の展開が意識されやすい。
31日のVIX指数は16.36(前日は17.69)に低下した。FOMCを無難に通過したことが、安心感につながったようだ。ただし、ボリンジャーバンドのバンドが拡大傾向にあるなか、+1σ水準で下げ止まった形であるため、もう一段の低下があるかを見極めたいところである。