株価指数先物【寄り前】 買い一巡後は3万8000円辺りでの底固め

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38200 +510 (+1.35%)
TOPIX先物 2731.5 +31.0 (+1.14%)
シカゴ日経平均先物 38235 +545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米当局者がインフレ指標として注目する6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.2%上昇と小幅な伸びとなり、予想に一致した。前年同月比では2.6%上昇と前月と同じで、およそ3年ぶりの低い水準が続いている。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くとの予想が大勢だか、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。

決算が評価された3M<MMM>が22%超上昇したほか、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>などが買われ、NYダウを押し上げた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、保険、資本財、不動産、素材が上昇した一方で、電気通信サービス、自動車・同部品の2セクターが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比545円高の3万8235円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比120円高の3万7810円で始まり、直後に付けた3万7780円を安値にリバウンド基調を強め、ほどなくして3万8000円を回復した。米国市場の取引開始後は3万7930円〜3万8200円辺りで推移し、中盤にかけて3万8260円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万8040円まで軟化したものの、終盤にロング優勢となり、3万8200円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い優勢で始まりそうだ。米国ではPCEの結果を受けて利下げ観測が高まり、景気敏感株のほか足もとで調整が目立っていたハイテク株の買い戻しがみられた。エヌビディア<NVDA>も小幅ながら4日ぶりに反発しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりうそうだ。

また、日経225先物は26日の日中取引で3万7600円まで売られ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7670円)を下回った。売られ過ぎが意識されてくるなか、ナイトセッションでは+2σを上回って推移し、週足では-1σ(3万8030円)を回復した。4月半ばの急落以降、週足の-1σが支持線として意識されていたこともあり、3万8000円辺りでの底固めの動きになりそうだ。

足もとでの大幅な下落によってセンチメントは悪化しいる。日米金融政策の行方を見極めたいほか、本格化する決算発表のなかでは、積極的にポジションを積み増す動きは限られるとみられる。買い一巡後は戻り待ち狙いのショートも意識されやすく、3万8000円をボトムとした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

オプション権利行使価格の3万8250円を中心とした上下の権利行使価格、3万8000円から3万8500円辺りのレンジを想定する。3万8500円を捉えてくる局面ではショートカバー狙いの動きもありそうだが、-1σが位置する3万8830円辺りで強弱感が対立しやすい。

先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に低下した。足もとでは13.90倍〜14.00倍辺りで推移しているが、今週も同水準での保ち合いになりそうだ。本日は米ハイテク株が買われた流れを受けてNT倍率は上昇する可能性はあるものの、明確なトレンドは期待しづらいだろう。

26日のVIX指数は16.39(前日は18.46)に低下した。足もとで上へのトレンドを強めており、25日には一時19.36まで上昇する場面もみられたが、この日はPCEの結果を受けて低下した形である。ただし、方向性としては4月19日に付けた高値21.36辺りが意識されやすく、20.00を上回ってくる局面があるようだと、やや慎重姿勢に傾く可能性がありそうだ。