日経225先物 41630 -740 (-1.74%)
TOPIX先物 2894.5 -34.5 (-1.17%)
シカゴ日経平均先物 41560 -810
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。6月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は同0.1%上昇だった。いずれも市場予想を下回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げするとの観測が高まった。景気敏感株の一角が買われた半面、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株には持ち高調整とみられる売りが優勢となり、連日で最高値更新が続いていたナスダック指数は8日ぶりに反落した。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、不動産、運輸が上昇。一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが下落した。
為替市場ではドル円が一時1ドル=157円台と円高が進んだ。CPIの結果を受けて日米金利差が縮小するとの見方のほか、CPIに合わせて政府・日銀による為替介入観測も浮上した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比810円安の4万1560円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比80円安の4万2290円で始まり、その後は4万2200円〜4万2270円と狭いレンジでの保ち合いが続くなか、一時4万2400円まで買われる場面もみられた。ただし、CPIの結果を受けた米ハイテク株への利食いの動きや円高の進行を受けてロング解消の動きが強まり、終盤にかけて下落幅を広げて4万1500円まで売られる場面もみられ、4万1630円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まることになりそうだ。急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されていたものの、前日の日中高値4万2470円からナイトセッションで一時4万1500円と1000円近く下げたことで、ヘッジに伴うショートの動きが強まりやすい。オプションSQ(特別清算指数算出)のタイミングでもあることで、ヘッジに伴う影響が大きくなりそうだ。
ナイトセッションでの急落によってボリンジャーバンドの+2σ(4万2200円)を割り込んだことから、+1σ(4万0980円)辺りまでの調整が意識されてくるだろう。ただし、買い遅れていた海外ファンドにおいては押し目買いを入れやすいタイミングになりそうだ。週足の+3σ(4万2370円)を前日の上昇で突破してきたことから、買われ過ぎが意識されやすい状況であった。週足の+2σ(4万1210円)を終値でキープできればバンドに沿ったトレンドが継続するとみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の4万1250円から4万2250円辺りでのレンジを想定する。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角に利食いがみられたが、後場の日経平均型のインデックス買いにより、上へのバイアスが強まる形となった。方向性としては3月4日に付けた14.84倍が射程に入ってきたが、本日は米国市場の流れを受けてNTロングを巻き戻す動きが強まりそうである。
26週移動平均線が位置する14.29倍辺りまで低下するようだと、その後のリバウンド狙いのスタンスに向かわせる可能性はありそうだ。指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983> [東証P]が業績予想を上方修正しており、これが材料視されるようだと、日経平均型を下支えすることになろう。
なお、11日のVIX指数は12.92(前日は12.85)に上昇した。一時13.33まで上昇する場面も見られたが、その後12.23まで低下するなど、25日移動平均線(12.54)を挟んだ値動きだった。75日線(13.77)、200日線(14.22)辺りを捉えてくるまでは、それほど神経質な流れにはならないだろう。