株価指数先物【寄り前】 ヘッジ対応のロングが強まりやすい

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42480 +540 (+1.28%)
TOPIX先物 2948.5 +33.0 (+1.13%)
シカゴ日経平均先物 42470 +530
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックが上昇。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による米下院での議会証言は、前日の米上院での証言に続き、利下げ時期について明言を避けたが、インフレは鈍化しているとの認識を示したことが安心感につながった。

エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>、アームホールディングス<ARM>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株が相場を牽引する展開となった。また、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>、メタプラットフォームズ<META>、アルファベット<GOOG>など大型テック株が買われた。S&P500業種別指数は電気通信サービスのみが小幅に下落したほかは、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、素材、資本財、保険の強さが目立った。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比530円高の4万2470円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円高の4万1950円で始まり、直後に付けた4万1900円を安値に切り返し、4万2000円に乗せた。その後は4万2100円〜4万2200円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、終盤にかけて上げ幅を広げ4万2490円まで買われ、4万2480円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い優勢で始まりそうだ。7月に入り上げ幅は2300円を超えており、急ピッチの上昇に対する過熱感は警戒されやすいが、買い遅れている海外ファンドとみられる資金流入が継続するなか、ロングの勢いが強まりやすい。

また、週末にオプションSQ(特別清算指数算出)を控えているなかでレンジを切り上げてきているため、ヘッジが新たなヘッジにつながる形で上へのバイアスが強まりやすい。米国市場では半導体株が牽引する形で強い基調を形成しており、東京市場でも東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を押し上げる展開が見込まれる。

日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万2020円)を支持線とした+3σとのレンジを形成している。+3σは4万3200円辺りまで上昇しており、+3σを突破してくる局面では、いったんはピーク感が意識されるだろう。ただし、方向性としては3月22日の高値4万0870円から4月19日の安値3万6700円までの下落幅(4170円)をリプレイスしたターゲットは4万5040円となる。+2σ辺りを明確に下回ってくるまでは、押し目狙いのロングスタンスとなろう。

そのため、オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格4万2000円から4万3000円と広めのレンジを想定する。ナイトセッションの終値水準での膠着が続き、利食いに向かう局面では押し目待ちの買い意欲は強いと考えられる。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。後場の日経平均型のインデックス買いが入った場面では一時14.41倍まで上げた。ETF決算に絡んだ需給面の影響を通過し、NTロングの巻き戻しでNTショートに振れやすくなる可能性はある。ただし、米国市場の流れを引き継ぐ展開が見込まれ、押し目ではNTロングでのスプレッド狙いに向かいそうだ。

なお、9日のVIX指数は12.85(前日は12.51)に上昇した。25日移動平均線(12.53)を上回っての値動きだった。依然としてボトム圏での推移ではあるものの、6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるなかで、やや神経質にさせる可能性はあろう。