日経225先物 41550 -70 (-0.16%)
TOPIX先物 2894.0 -2.5 (-0.08%)
シカゴ日経平均先物 41515 -105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて9月の利下げ観測が強まり、NYダウは一時150ドル近く上昇する場面がみられた。ただし、景気の先行き不透明感も高まり、買い一巡後は景気敏感株を中心に売られる展開となった。また、11日に6月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、結果を見極めたいとする様子見姿勢もあった。NYダウ構成銘柄ではマイクロソフト<MSFT>、セールスフォース<CRM>の下げが重荷となった。一方、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。
前日にアナリストによる目標株価の引き上げが伝わったエヌビディア<NVDA>が続伸したほか、テスラ<TSLA>は10日続伸となり、ナスダック指数は6日続伸で最高値を連日更新した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、半導体・同製造装置が上昇した半面、ソフトウエア・サービス、素材、エネルギーが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比105円安の4万1515円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円安の4万1610円で始まり、直後に付けた4万1630円を高値に利食い優勢となった。だが、下値の堅さは意識されており、4万1460円〜4万1570円辺りでの保ち合いが続き、4万1550円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢で始まりそうだ。前日に一時900円を超す上昇をみせたこともあり、利益確定に伴うロング解消は入りやすいところだろう。そのなかで、ナイトセッションでは4万1460円処での底堅さが目立っているため、同水準に位置するボリンジャーバンドの+2σ(4万1500円)近辺では押し目待ちの買い意欲が強いと考えられる。
また、ボリンジャーバンドは拡大傾向をみせており、+3σは4万2520円辺りまで上昇してきた。オーバーシュート気味の上昇との見方もあるが、バンドの拡大に沿ったトレンドを形成しているため、ショートポジションに傾けることは避けたい。3月以来となる高値更新後、上昇ピッチが強まっているが、買い遅れているファンドの資金流入が意識されている。また、週末にオプションSQ(特別清算指数算出)を控えているため、ヘッジ対応の動きも活発になりやすいところであろう。
+2σ水準での底堅さが意識される局面では、ロング対応が強まりそうだ。また、本日はインデックス連動のパッシブ型ETF(上場投資信託)の決算を迎え、分配金捻出のための現物株と先物市場でのポジション解消売りが需給面の重荷となる。相対的にTOPIX型の売りの比率が高いが、8日のETF決算での影響は限定的だったこともあり、積極的なロングは手控えられやすいものの、押し目待ちの買いで下値の堅さが意識されそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の4万1500円を中心とした上下の権利行使価格4万1375円から4万1875円辺りのレンジ推移を想定する。米国ではエヌビディアは買われていたが、アームホールディングス<ARM>、クアルコム<QCOM>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などが売られており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へのインパクトは限られそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に上昇した。寄り付きの14.29倍を安値に上げ幅を広げており、約3カ月ぶりの水準に上昇している。ETF決算に絡んだ思惑的な動きもあっただろうが、8日の上昇で75日移動平均線を突破し、昨日は14.29倍辺りで推移する26週線を上抜けてきた。ETF決算に絡んだ売り需要の影響により、本日もNTロングに振れやすいだろう。
なお、9日のVIX指数は12.51(前日は12.37)に上昇した。一時12.61まで上げる場面もみられたが、その後は25日線(12.52)水準での攻防となり、小動きでの推移だった。CPIの発表を控えていることもあり、再び25日線を上回ってくるかを見極めたい。