株価指数先物【寄り前】 短期的な調整局面では押し目狙いのロング対応

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39820 +200 (+0.50%)
TOPIX先物 2833.5 +17.5 (+0.62%)
シカゴ日経平均先物 39790 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。ナイキ<NKE>が発表した2024年3-5月期の売上高が市場予想を下回ったほか、2025年5月期通期の業績見通しを下方修正したことが嫌気され、20%近く下落したことがNYダウを押し下げた。また、月末と四半期末が重なったほか、バイデン大統領とトランプ前大統領の討論会を受けて、持ち高調整の動きが重荷になった。

一方で、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を考慮する上で重視するPCEコアデフレーターの伸びが4月から減速した。また、6月の米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)が前月から低下し、1年先のインフレ期待も速報値を下回った。これらを受けて、利下げ期待が高まる場面も見られた。S&P500業種別指数は銀行、運輸、電気通信サービスが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、メディア、小売が下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比170円高の3万9790円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万9600円で始まり、3万9580円〜3万9710円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にリバウンドを強め、一時3万9960円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万9620円と日中比変わらず水準まで軟化したものの、終盤にかけて切り返し、3万9820円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。週末の米国市場では主要な株価指数が下落したものの、月末と四半期末に伴うリバランスの影響が大きかったとみられる。PCEコアデフレーターなど経済指標の内容は、FRBによる利下げを後押しする内容だったとの見方から、米株安の影響は限られるだろう。

先週の日経225先物は4月半ば以降のレンジ相場を明確に上抜けたことで、シグナルは好転した。短期的には過熱感が警戒されやすいが、ナイトセッションでは3万9960円まで買われており、4万円の大台回復が射程に入っている。収斂が続いていた週足のボリンジャーバンドは拡大に転じており、+2σは先週の3万9840円から4万0060円に上昇してきた。バンドの切り上がりに沿ったトレンド形成が意識されやすく、短期的な調整局面では押し目狙いのロング対応となりそうだ。

日足の+2σは3万9720円辺りに位置しており、上向きで推移する同ラインを挟んだ値動きが見込まれる。そのため、オプション権利行使価格の3万9750円を中心とした上下の権利行使価格3万9500円から4万円のレンジを想定する。なお、+3σは4万0170円辺りに位置しており、4万円を回復してくると、オーバーシュート気味に同水準を捉えてくる可能性もあろう。

28日のVIX指数は12.44(前日は12.24)に上昇した。先週は24日に13.88まで上昇する場面もみられたが、75日移動平均線(13.99)に上値を抑えられる形となり、その後は低下傾向を継続していた。週末には一時11.87まで低下する場面も見られ、その後は米国市場の流れを受けて上昇に転じているが、水準としてはボトム圏での推移である。

なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.06倍に低下した。為替市場で円安が進行するなか、介入への思惑により金利が上昇したことで、金融セクターへの物色が目立ち、相対的にTOPIX型優位の展開となった。25日線(14.06倍)辺りでの攻防から、同水準で底堅さがみられると、NTロングを組成する動きに向かう可能性があろう。