株価指数先物【寄り前】 PCE控えるなか押し目狙いのロング対応

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39580 +170 (+0.43%)
TOPIX先物 2809.5 +16.0 (+0.57%)
シカゴ日経平均先物 39570 +160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。1-3月期 GDP個人消費確定値が改定値から下方修正されたほか、5月の米中古住宅販売成約指数の低下、米失業保険継続受給者の増加など、景気減速を示す内容と受け止められて米長期金利が低下したことが材料視された。

また、業績見通しが期待に届かず、前日の時間取引に急落したマイクロン・テクノロジー<MU>は7%超の下落となったほか、エヌビディア<NVDA>やクアルコム<QCOM>なども売られたが、時間外での下落範囲だった。一方で、アームホールディングス<ARM>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が買われており、半導体株全体への影響は限定的だった。S&P500業種別指数は小売、不動産、メディアが上昇した半面、半導体・同製造装置、各種金融、食品・生活必需品小売が下落。

シカゴ日経平均先物物(9月限)清算値は、大阪比160円高の3万9570円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万9440円で始まり、3万9380円と下落に転じる場面も見られたが、その後は3万9420円〜3万9490円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にリバウンド基調を強め、3万9670円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万9460円まで上げ幅を縮めたもののプラス圏をキープ。中盤以降は3万9500円から3万9600円辺りでの値動きが続き、3万9580円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。マイクロン・テクノロジー下落の影響が警戒されていたが、他の半導体株の反応は限られていた。アマゾン・ドット・コム<AMZN>、メタ・プラットフォームズ<META>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>など大型テック株が堅調だったこともあり、安心感につながろう。

ただし、今晩の米国では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を考慮する上で重視する5月の個人消費支出(PCEデフレーター)のほか、6月のシカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表が予定されている。指標の結果を受けた米国市場の反応を見極めたいとして積極的にポジションを傾けてくる動きは考えづらく、買い一巡後は膠着感が強まりそうだ。

日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+2σ水準を回復した。本日は+2σを挟んだオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円辺りのレンジを想定する。バンドは今週に入り、これまでの横ばい推移から拡大傾向をみせてきており、上向きで推移する+2σに沿ったリバウンド基調が見込まれるため、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

また、今週の上昇で13週移動平均線を明確に上放れ、4月半ば以降の保ち合いレンジをブレーク、シグナルは好転した。週足の+1σ(3万9190円)を上回り、+2σ(3万9830円)に接近する場面もあった。前日の調整では+1σで下げ止まっており、押し目待ち狙いの買い意欲は強いと考えられる。

27日のVIX指数は12.24(前日は12.55)に低下した。前日に25日線(12.81)を割り込んでおり、下へのトレンドが出やすくなってきているため、ショートに傾けるポジションは控えておきたいところだろう。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。一時14.04倍まで下げており、25日線(14.06倍)を下回った。ただし、その後は下げ渋る動きをみせており、NTショートを巻き戻すにより同線を上回って終えている。マイクロンの影響が限定的だったことから、再び200日線(14.13倍)辺りが意識されてくる可能性があるだろう。米ハイテク株への物色意欲の強さが窺えるなか、NTロングでの対応になりそうだ。