株価指数先物【引け後】 米ハイテク株の下げが限定的ならアク抜けを期待

大阪9月限
日経225先物 39410 -210 (-0.53%)
TOPIX先物 2793.5 -3.0 (-0.10%)

日経225先物(9月限)は前日比210円安の3万9410円で取引を終了。寄り付きは3万9340円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万9415円)を下回り、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後に付けた3万9420円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤には3万9190円まで売られる場面もみられた。これにより週足のボリンジャーバンドの+1σに接近。短期的な過熱感が和らいだことから、前場終盤にかけて下げ渋る動きとなった。後場は3万9210円〜3万9360円辺りの狭いレンジで推移し、引けはショートカバーとみられる動きで3万9410円と日中の高値圏で終える形だった。

日経225先物は、前日の大幅上昇で過熱が警戒されやすいなか、為替市場での円安進行に加え、マイクロン・テクノロジー<MU>の時間外取引での急落を受けて、ショートが優勢となったようだ。グローベックスのナスダック100先物が弱い値動きで推移していたことも、ショートを仕掛けやすくさせた。ただし、前場中盤にかけての下落で過熱感は和らぐ格好だった。マイクロン決算を受けた米国市場の反応を見極めたいとして、強いリバウンドにはならなかったものの、底堅さは意識されていた。

グローベックスの主要な株価指数先物はマイナス圏で推移しており、そのなかでナスダック100先物の弱さが目立っている。マイクロンの下げがどの程度、他の半導体株に影響を与えるかが注目される。なお、時間外取引ではエヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、アームホールディングス<ARM>などは概ね1%ほど下げている。下げが限定的にとどまれば、織り込みが進んだ東京市場ではショートカバーが入りやすいだろう。

日経225先物は週足の+1σ(3万9160円)を上回っており、+2σ(3万9770円)とのレンジが意識されやすい。バンドが収斂し、煮詰まり感が台頭するなか、今週は13週移動平均線を明確に上放れ、+2σに接近する動きをみせていた。本日の+1σまでの調整により過熱感が和らいだことで、再び+2σが意識されて、3月22日に付けた4万0870円をターゲットとしたセンチメントに向かわせる可能性がある。

今晩の米国では、1-3月期GDP確定値、5月の耐久財受注が発表される。大統領選挙に向けたバイデン大統領とトランプ前大統領による初のテレビ討論会も行われる。思惑的な動きをみせてくる可能性はあるものの、下へのバイアスが強まる局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。一時14.04倍まで下げており、25日線(14.06倍)を下回った。ただし、その後は下げ渋る動きをみせており、NTショートを巻き戻す動きから同線を上回って終えている。マイクロンの影響から米ハイテク株の弱さが目立ったとしても、東京市場ではアク抜けに向かう展開も想定されるため、25日線を下回る局面では、その後のリバウンドを狙ったNTロングでの対応になりそうだ。

手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5881枚、ソシエテジェネラル証券が1万6579枚、サスケハナ・ホンコンが7536枚、JPモルガン証券が3148枚、ゴールドマン証券が2831枚、バークレイズ証券が2659枚、楽天証券が1706枚、野村証券が1692枚、日産証券が1485枚、SBI証券が1334枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万8474枚、ソシエテジェネラル証券が2万0607枚、JPモルガン証券が5916枚、モルガンMUFG証券が5519枚、バークレイズ証券が5279枚、ビーオブエー証券が3596枚、サスケハナ・ホンコンが3215枚、ゴールドマン証券が3073枚、みずほ証券が3012枚、野村証券が2120枚だった。