25日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値を挟み一進一退の展開か。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて切り返す動きとなり、今月末の国民議会選挙を控え極右政党の台頭が警戒されるフランスでは、主要株価指数のCAC40が1%を超える上昇で切り返し、市場のセンチメントが改善している。また、米国株市場では欧州株市場のリスクオンの流れを引き継ぐ形で、NYダウが5日続伸し約1カ月ぶりの高値水準に浮上した。景気敏感株やディフェンシブストックへの買いが続き指数を押し上げている。ただ、半導体や人工知能(AI)関連などを中心とするハイテク系・グロース株は値を下げるものが多く、ナスダック総合株価指数は1%を超える下げで3日続落と明暗を分けた。特に画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア<NVDA>が6.7%安と急落、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%安と大幅な下落となった。東京市場では米半導体株安を受け、売買代金上位の半導体製造装置の主力銘柄などに売りが波及する可能性があり、全体相場も上値の重い展開が想定される。しかし外国為替市場では1ドル=159円台後半の推移と円安水準でもみ合いが続き、これが前日同様に全体相場の下支え材料となることが考えられる。日経平均は長くレンジ相場が続いていることで下値に対する抵抗力もついており、売り買い交錯のなかも先物主導で3万9000円台をうかがう地合いとなる可能性もありそうだ。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比260ドル88セント高の3万9411ドル21セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同192.544ポイント安の1万7496.817だった。
日程面では、きょうは5月の企業向けサービス価格指数、4月の景気動向指数改定値、基調的なインフレ率を捕捉するための指標、5月の全国スーパー売上高、5月の外食売上高など。海外では、4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数など。このほか、ボウマンFRB理事の講演やクックFRB理事の講演が予定されている。