ダウ平均は5日続伸 AI関連が本日も下落 エヌビディアの時価総額3兆ドル割れ=米国株概況

NY株式24日(NY時間16:20)(日本時間05:20)
ダウ平均 39411.21(+260.88 +0.67%)
S&P500 5447.87(-16.75 -0.31%)
ナスダック 17496.82(-192.54 -1.09%)
CME日経平均先物 38750(大証終比:+10 +0.03%)

きょうのNY株式市場でダウ平均は5日続伸。上げ幅は一時400ドル超となる場面も見られた。ただ、エヌビディアやデル<DELL>、スーパー・マイクロ<SMCI>など直近人気化していたAI関連株は本日も売りが先行し、ナスダックは逆に大幅安となった。本日はこれまで出遅れ感が出ていたセクターには見直し買いが入り、全体をサポートしていた。

今週は6月と上半期の最終週となるが、米株式市場は過去最高値付近でそれを迎えている。ただ、先週はこれまでリード役となっていたエヌビディア<NVDA>が下落するなど、米株式市場にも疲弊感も見え始めている。エヌビディアの下げについてテクニカルアナリストからは「極端な価格パフォーマンスで今後はスピードバンプ(減速帯)に直面する可能性がある」との弱気パターンも指摘されていた。本日は120ドルを割り込み、時価総額も3兆ドルを下回っている。

ストラテジストからも米株式市場の一服感が指摘されており「IT・ハイテク株主導で過去最高値を更新したが、ポジショニングはレンジの上限付近にあり、資金流入も伸び悩んでいるなど一息つく条件が整っている」と述べていた。

それでもAIを取り巻く熱狂が、FRBの利下げ期待の変化や景気減速に悩む中でも、今年の市場を大きく上昇させた。S&P500は過去最高値を31回更新し、約15%上昇している。

今週はFRBがインフレ指標として主に参照している5月のPCEデフレータが発表になる。今月発表の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)から、インフレの鈍化傾向を示すものと期待されているようだ。期末を向かえる中で、それに対して市場がどう反応するか注目される。今週はまた、フェデックス<FDX>、マイクロン<MU>、ウォルグリーン<WBA>、ナイキ<NKE>などの主要企業の決算も予定。

IT・ハイテク株が売られる中でメタ<META>は小幅高。同社の生成AIモデルをアップル<AAPL>のAIシステム「アップル・インテリジェンス」に組み込むことについて両社が協議を行ったと伝わっていた。

トラック輸送の仲介を手掛けるRXO<RXO>が大幅高。UPS<UPS>傘下でアセットライト型貨物仲介事業を手掛けるコヨーテ・ロジスティクスを10億ドル余りで買収することで合意した。

後払い決済サービスなどフィンテックを手掛けるアファーム<AFRM>が大幅高。アナリストが同社を推奨している。投資判断は「買い」、目標株価は42ドルに設定した。先週末終値よりも41%高い水準。

バイオ医薬品のアルティミューン<ALT>が大幅高。同社の肥満治療の治験薬「ペムビデュチド」が中間段階の臨床試験で好結果を発表した。

医療機器のレスメド<RMD>が大幅安。イーライリリー<LLY>が、同社の減量薬「ティルゼパチド」が閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度を軽減することを示す臨床データを追加発表したことが嫌気されている。

バイオ医薬品のアルナイラム<ALNY>が急伸。同社の「ブトリシラン」が心筋症を伴うATTRアミロイドーシスとして知られる重篤な心臓病患者にも有効であることが示された。

RXO<RXO> 24.85(+4.64 +22.96%)
レスメド<RMD> 182.20(-23.63 -11.48%)
アファーム<AFRM> 33.70(+3.83 +12.82%)
アルティミュン<ALT> 7.14(+0.73 +11.39%)
アルナイラム<ALNY> 222.90(+57.20 +34.52%)

アップル<AAPL> 208.14(+0.65 +0.31%)
マイクロソフト<MSFT> 447.67(-2.11 -0.47%)
アマゾン<AMZN> 185.57(-3.51 -1.86%)
アルファベットC<GOOG> 180.79(+0.53 +0.29%)
テスラ<TSLA> 182.58(-0.43 -0.23%)
メタ<META> 498.91(+4.13 +0.83%)
AMD<AMD> 160.25(-0.98 -0.61%)
エヌビディア<NVDA> 118.11(-8.46 -6.68%)
イーライリリー<LLY> 890.11(+6.23 +0.70%)