来週のドル円相場は、一段のドル高・円安の進行があるかどうかが注目される。予想レンジは1ドル=157円50銭〜160円00銭。
米連邦準備理事会(FRB)高官が相次いでインフレ抑制に時間がかかるとの見方を示し、米利下げ観測が後退していることからドルが買われやすくなっている。ドル円相場は21日の東京市場で一時159円12銭と約2カ月ぶりのドル高・円安水準をつけたが、米財務省が20日に公表した外国為替政策報告書で為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えたことから市場では日本政府や日銀が介入に動きにくくなったとみる向きが多く、いまのところ介入警戒感はそれほど高まっていない。来週に発表される米経済指標やFRB高官の発言次第では再び160円台乗せを試す展開があるだろう。ただ、日銀が24日に公表を予定している6月13〜14日開催分の金融政策決定会合における主な意見が、タカ派的な内容と受け止められれば円が買われる可能性も。また、30日に行われる第1回投票のフランス国民議会(下院)選挙に向け、改めて欧州の政局不安が意識された場合は安全通貨とされる円が選好されそうだ。
なお、来週に海外で発表される主な経済指標は、24日に6月のドイツIFO企業景況感指数、25日に6月の米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)と6月の米リッチモンド連銀製造業指数、26日に5月の米新築住宅販売件数、27日に1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値と5月の米耐久財受注、28日に5月の米個人消費支出(PCE)と6月のシカゴ購買部協会景気指数など。国内では25日に5月の企業向けサービス価格指数、28日に5月の失業率と5月の鉱工業生産・速報値が公表される予定となっている。