常勝街道に回帰!目標値は6カ月連続で上昇 (1) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。

● THE S&P 500 MARKET:2024年5月
個人的見解:「自力で立ち上がり、再びレースに挑んでいく」、それが市場というものだ……

今回は最高値更新までに本当に長い時間がかかりました。実際には48日(営業日ベースでは33日)だったのですが、もっと長くかかったように思われます。S&P500指数 は4月の値下がり分(4.16%下落)を取り戻し、今年に入って23回目となる終値での最高値を更新しました(5月15日の水曜日の5308.15。前回の最高値更新は3月28日の5254.35)。株式市場は堅調な上昇基調を辿りました。週次騰落率は5週連続でプラスとなり(累計上昇率6.79%)、5300台を突破(5月16日の日中高値は5325.49)して、再び終値での最高値を更新しました(5月21日に年初来で24回目の最高値となる5321.41を記録)。しかしながら、5月の最終週になると小幅反落しました(0.51%下落)。(古き良き)利食い売りが出たようです(5月最終営業日の午後には買いが戻り、前日比0.84%の下落から同0.80%の上昇まで回復して月の取引を終えました)。S&P500指数は5月に4.80%上昇して5277.51で月を終えました(5月中に騰落率が5.67%まで上昇する場面もありました)。市場は4月の4.16%の下落分を優に取り戻し、年初来の上昇率は10.64%となりました(5月の取引最終日の終値は終値での最高値から0.83%下落)。

ダウ・ジョーンズ工業株平均(ダウ平均)も5月15日に3万9908.00ドル、5月17日に4万0003.59ドルと、5月中に2回、最高値を更新しました(終値で4万ドルを超えたのは17日だけでした。なお、16日には日中高値で4万0051.05ドルをつけました)。5月は2.30%上昇の3万8686.32ドルで取引を終え、年初来の騰落率は2.64%の上昇となりました。

●インデックスの動き

○5月は再び常勝街道に回帰しました(4.80%上昇、配当込みのトータルリターンはプラス4.96%)。限定的ながら広範囲にわたって下落した4月の値下がり分(4.16%下落、同マイナス4.08%)を優に取り戻しただけではなく、大幅高となった2024年1-3月期のリターン(10.16%上昇、同プラス10.56%)から上昇率をさらに拡大させ、年初来の上昇率を10.64%(同プラス11.30%)としました。これを年率換算すると、27.11%の上昇(同プラス28.90%)に相当します。5月は22営業日中14営業日で上昇し(4月は22営業日中9営業日。年初来では105営業日中56営業日)、11セクター中10セクターが上昇しました(4月は1セクターのみが上昇しました)。5月は再び値上がり銘柄数が増加して、値下がり銘柄数を大きく上回りました(値上がり銘柄数は327銘柄、値下がり銘柄数は176銘柄。これに対して4月は値上がり銘柄数が118銘柄、値下がり銘柄数が385銘柄)。出来高は前月比で4%増、前年同月比では4%減でした。

○S&P500指数の時価総額は5月に2兆630億ドル増加(4月は1億8430億ドル減少)して、44兆2970億ドルとなりました。年初来では4兆2580億ドル増加しました。2023年は7兆9060億ドルの増加、2022年は8兆2240億ドルの減少でした。

⇒ダウ平均も5月に2回最高値を更新し、2.30%上昇して(配当込みのトータルリターンはプラス2.58%)、3万8686.32ドルで月を終えました。4月は5.00%下落して(同マイナス4.92%)して、3万7815.92ドルで月を終えました。年初来では2.64%の上昇(同プラス3.52%)、過去1年のリターンは17.56%の上昇(同プラス19.97%)、2023年は13.70%の上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%の下落(同マイナス6.86%)となりました。

○5月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は0.77%と、4月の1.13%から大幅に低下し、年初来では0.84%となっています。なお、2023年通年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.42%)

○5月の出来高は4月の前月比14%減少の後に、同4%増加し(営業日数調整後)、前年同月比では4%減少しました。2024年5月までの12ヵ月間では前年同期比5%増加しています。2023年通年では前年比1%減で、2022年通年では同6%増でした。

○5月は1%以上変動した日数は22営業日中3日(上昇が3日、下落はなし)で、2%以上上昇した営業日はありませんでした。4月は1%以上変動した日数は22営業日中7日(上昇が3日、下落が4日)でした。年初来では、1%以上変動した日数は20日(上昇が13日、下落が7日)で、2%以上変動した日数は1日(上昇)でした。2023年通年は、1%以上変動した日数が250営業日中63日(上昇が37日、下落が26日)、2%以上変動した日数が2日(上昇が1日、下落が1日)でした。5月は22営業日中4日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。対して4月は1%以上の変動が22営業日中12日で、2%以上変動した日数は2日でした。年初来では、29日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日数は2日ありました。

2023年通年では1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日で、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%以上の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が219日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日でした(4%以上の変動が4日、5%以上の変動が1日)。

過去の実績を見ると、5月は59.4%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.02%、下落した月の平均下落率は4.68%、全体の平均騰落率は0.11%の下落となっています(2月の平均が0.06%の下落、9月が1.16%の下落、他の9ヵ月は上昇、12月が最も良く1.70%の上昇)。2024年5月のS&P500指数は4.80%の上昇でした。

6月は56.3%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.89%、下落した月の平均下落率は3.30%、全体の平均騰落率は0.75%の上昇となっています。

今後の米連邦公開市場委員会FOMCのスケジュールは、2024年は6月11日-12日、7月30日-31日、9月17日-18日、11月6日-7日、12月17日-18日となっています。

※「常勝街道に回帰!目標値は6カ月連続で上昇 (2)」へ続く