株価指数先物【寄り前】エヌビディア効果で日経平均型優位の展開

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38580 +180 (+0.46%)
TOPIX先物 2720.0 +6.0 (+0.22%)
シカゴ日経平均先物 38610 +210
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。5月の米小売売上高が前月比0.1%増と、市場予想(0.3%増程度)を下回ったほか、4月分が下方修正された。米経済に大きな影響力を持つ個人消費の減速により、早期の利下げ観測が高まった。米長期金利が低下し、ハイテク株への物色が継続するなか、エヌビディア<NVDA>はマイクロソフト<MSFT>を抜き時価総額が世界首位となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、電気通信サービス、銀行が上昇した半面、耐久消費財・アパレル、自動車・同部品、メディアが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比210円高の3万8610円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万8430円で始まり、その後は3万8330円〜3万8480円辺りと日中の終値を挟んで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、3万8470円〜3万8590円辺りのレンジに移行し、終盤にかけて一時3万8620円まで買われ、3万8580円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ただし、米国の主要な株価指数は上昇したものの小幅な上げであり、NYダウでは75日移動平均線辺りが心理的な抵抗線となっている。同水準を明確に上放れ、25日線を突破してこないと、強気ムードは高まらないだろう。そのため、買い一巡後は次第に膠着感が強まりやすくなりそうだ。

エヌビディアが時価総額で世界首位となり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にプラスに働くかが注目される。東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]辺りが堅調な値動きをなるようだと、日経225先物へは短期的にロングが入りやすくなるだろう。

日経225先物はナイトセッションの上昇でボリンジャーバンドの+1σ(3万8480円)を突破し、25日線(3万8710円)とのレンジが意識されてきた。買い一巡後に-1σに接近する局面があれば、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。一方で、25日線に接近する場面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいものの、6月17日の下落局面で付けた陰線(3万7920円-3万8790円:ナイトセッションを含む)を埋めてくる動きも意識されてくるため、ショートカバー狙いのロングが強まる可能性もありそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円辺りのレンジを想定する。また、ナイトセッションでは一時3万8620円まで買われたが、ちょうど13週線水準となる。同線を明確に上放れてくる局面では、センチメントを明るくさせ、ロング優位となりそうである。

18日のVIX指数は12.30(前日は12.75)に低下した。上値抵抗線として意識されていた25日線(12.63)を下回って終えている。米国では予想を下回る経済指標の発表が相次いでおり、米経済の減速懸念は高まっているものの、早期利下げ観測によってショートを仕掛けづらくさせそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.14倍に上昇した。200日線(14.13倍)を挟んでの推移だったが、米国でハイテク株物色が継続していることから、NTロングに振れやすい状況であろう。ただし、明確にトレンドが出ているわけではないことから、日経225先物のロングを維持しつつ、5割程度のTOPIX先物でのショートヘッジといった形になるだろう。