フランスの政治的混乱はEU加盟国の一部に、共同軍事支出やウクライナ支援の新たな推進といった構想が水泡に帰すのではないかという懸念を引き起こしている。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。マクロン大統領が強く支持している集団的資金調達によるEUの防衛費強化の行方に疑問が高まっているという。
また、マクロン大統領が今月呼びかけた総選挙が、ウクライナへの陸軍訓練兵の派遣計画を含め、ウクライナのトップ応援団の1人としての大統領の役割を損なうという懸念もあるという。
2017年の選挙での初勝利をベートーヴェンの「歓喜の歌」で祝って以来、大統領はより強力で統一されたEUを目指す提唱者の1人となっている。しかし、他の首脳や有権者を同調させることに苦戦しており、今年初めの画期的な演説では、欧州プロジェクトそのものが危機に瀕していると警告した。
国内では、大統領が所属する党「再生」とその連立勢力は、世論調査において右派と左翼のライバル政党にリードを許している。ルペン氏率いる国民連合(RN)がリードを広げ、過半数を確保すれば、月曜日にブリュッセルで会合を開き、ロシアの侵略への対応強化を話し合うEU首脳にとって根本的な課題となるという。
フランスでは大統領は軍のトップだが、国家予算は政府によって提示され、首相によって運営され、議会によって承認される。