アジア株 上海株は続落、元安進行や西側諸国との関係悪化を懸念 人民元は対ドルで年初来安値

アジア株 上海株は続落、元安進行や西側諸国との関係悪化を懸念 人民元は対ドルで年初来安値

東京時間14:06現在
香港ハンセン指数 17960.26(-152.37 -0.84%)
中国上海総合指数 3017.67(-11.25 -0.37%)
台湾加権指数 22427.28(+115.24 +0.52%)
韓国総合株価指数 2764.42(+9.53 +0.35%)
豪ASX200指数 7725.20(-24.53 -0.32%)
インドSENSEX30種 76941.69(+130.79 +0.21%)

アジア株は高安まちまち。

台湾株は4営業日続けて史上最高値を更新。韓国株も続伸し約3カ月ぶり高値水準、インド株は小幅続伸。ナスダック4営業日続伸が材料視されており、半導体などハイテク関連が上昇している。ただ、週末を前に利益確定の売りも出ており上値は重い。

米国のインフレ鈍化期待が高まっていることから、来週も韓国や台湾、インドは上昇する可能性がある。先日の米CPIに続き、きのうのPPIも予想以上に伸びが鈍化したことで、米年内利下げ回数がFRBの想定よりも増える可能性がある。来週は米小売売上高が発表される。

香港株は反落、週末を前に調整売りに押されている。医療品やハイテク、消費者サービス関連が下落している。きのう上昇していた比亜迪(BYD)や吉利汽車控股など自動車関連の一角も下落している。宝飾品販売大手の周大福珠宝集団は7%超急落、第1四半期の中国売上高が前年同期比で28%減少したことが懸念されている。

上海株は続落、ポジティブ材料が見当たらない。米国やEUなど西側諸国との関係悪化、元安進行、冴えない中国経済統計を受け投資家心理は悪化している。当局による大胆な不動産支援策の効果も一時的、長引く不動産不況からの脱却には数年かかるとされており、さらなる支援策が必要か。

中国人民銀行は14日、元の中心レートを今年1月以来となるドル高・元安方向に設定した。これを受け、オンショア人民元は対ドルで下落、年初来安値をつけた。来週は事実上の政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)が公表される。一部では引き下げが期待されているが、下げたところで焼け石に水。株式市場への影響は限定的だろう。それどころか、引き下げれば元安がさらに進む可能性があり株式市場にはマイナスとなる。金利据え置きなら失望売りが広がる恐れがあり、政策金利は据え置きでも、引き下げでも株価上昇とはいかない可能性。