日経225先物 38670 +20 (+0.05%)
TOPIX先物 2757.0 +5.0 (+0.18%)
シカゴ日経平均先物 38650 ±0
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比27万2000人増と、市場予想(19万人程度)を上回った。米債券市場で長期金利が4.4%台前半に上昇し、利下げ開始時期が遅れるとの見方が相場の重荷となった。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、銀行、保険が上昇した一方で、公益事業、素材、家庭用品・パーソナル用品が下落した。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比変わらずの3万8650円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万8630円で始まり、一時3万8560円まで売られた。米国市場の取引開始後にロングの動きが強まりプラスに転じると、3万8910円まで買われる場面も見られた。ただし、買い一巡後は軟化し、3万8700円~3万8790円辺りで保ち合いを継続。終盤にレンジを切り下げ、3万8590円~3万8680円辺りでの保ち合いを経て、3万8670円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まりそうだ。一時3万8910円まで買われたが、同水準に位置する75日移動平均線(3万8920円)に上値を抑えられる形となり、終盤にかけて軟化し25日線(3万8610円)水準に接近した。両線を挟んだレンジでの推移を継続しており、オプション権利行使価格の3万8750円を中心とした上下の権利行使価格3万8625円から3万8875円辺りでの膠着感の強い展開となりそうだ。
3万8625円を下回り25日線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、3万8875円を突破し75日線に接近するようだと、戻り待ち狙いのショートスタンスになりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)(6月11日~12日)の結果を見極めたいとするムードが強まりやすく、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られる。持ち高調整に伴うリバランスのなか、スキャルピング中心のトレードになりそうである。
また、日銀の金融政策決定会合(6月13日~14日)のほか、週末には6月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)が控えている。SQについては基本的に週半ば以降は限月交代に伴うロールオーバーの商いが中心となろうが、日米金融イベントを受けてリバランスの動きが強まる可能性はある。これまでの狭いレンジでの推移から煮詰まり感が意識されていることもあり、大きくレンジを放れてくる展開を想定しておく必要があるだろう。
7日のVIX指数は12.22(前日は12.58)に低下した。米国株は下落したものの、下向きで推移する25日線に上値を抑えられる形で低下基調をみせている。米雇用統計の結果を受けて9月の利下げ観測は後退しているが、VIX指数は低下傾向をみせており、FOMCの結果を前にショートポジションを圧縮する動きが入りやすい需給とも考えられる。そのため、不安定ながらもリスク選好の動きとみておきたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。14.13倍辺りで推移する200日線が抵抗線として意識されているが、5月31日に付けた13.85倍で目先のボトムを形成する形であった。スプレッド狙いの動きは取りづらいところではあるが、金融イベントを前にリバランスが強まる可能性もあり、リバランスの観点からはNTショートの巻き戻しが入りやすいと考えられる。