株価指数先物【寄り前】 米雇用統計の発表を控え狭いレンジでの取引

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38660 -100 (-0.25%)
TOPIX先物 2756.0 -5.0 (-0.18%)
シカゴ日経平均先物 38635 -125
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

6日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。先週の米新規失業保険申請件数は22万9000件と、市場予想(22万件程度)を上回った。今週は米雇用動態調査(JOLTS)や米ADP雇用統計で労働市場の過熱感が薄れていることを示す指標の発表が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)が利下げをしやすくなると受け止められた。

また、欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で米国に先駆けて政策金利を引き下げたことから、FRBも金利を引き下げやすくなったとの見方もあった。ただし、米雇用統計の発表を翌日に控えていることもあって、前日に買われた半導体株などには利益確定の売りが入りやすく、相場の重荷となった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、小売、家庭用品・パーソナル用品が上昇した半面、資本財、公益事業、半導体・同製造装置が下落した。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比125円安の3万8635円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万8790円で始まり、一時3万8850円まで買われた。買い一巡後は利益確定の動きから、3万8700円~3万8820円辺りでの日中終値を挟んだ保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを割り込むと、ロング解消の動きから下落幅を広げる形となり、3万8540円まで売られる場面も見られた。終盤にかけて若干買い戻され、3万8660円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形からやや売り先行で始まることになりそうだ。エヌビディア<NVDA>が高値更新後に利食いに押されるなど、前日に相場をけん引していた半導体株が利益確定の売りに押された流れから、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株には利食い売りが入りやすいだろう。

昨日の日経225先物は朝方に3万9070円まで買われた後は、節目の3万9000円回復による達成感もあり、利益確定に伴うロング解消や短期的なショートとみられる動きにより、後場中盤には3万8700円まで上げ幅を縮めていた。概ね25日移動平均線(3万8570円)と75日線(3万8910円)とのレンジ内での推移だったが、米雇用統計の発表を控えていることもあり、本日も狭いレンジでの取引になりそうだ。

米国ではS&P500指数、ナスダック指数が下落しているが、前日に史上最高値を更新したこともあり、利益確定の売りが入りやすかっただろう。日経225先物についても3万9000円回復後は売り優勢だったこともあり、ロングは積み上がっていないと考えられる。売り先行で始まったとしても下へのバイアスは強まらないだろう。また、米雇用統計の発表を前にショートも仕掛けづらくさせそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万8875円でのレンジを想定する。スキャルピング中心のトレードになると考えられ、25日線辺りを割り込んでくる局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、13週線は3万8780円辺りに位置している。同線を上回る可能性が高まるようだと、トレンド転換が意識されることから終盤にかけてショートカバーを誘う動きを意識しておきたい。

VIX指数は12.58(5日は12.63)に低下した。支持線として意識されつつあった25日線を前日に割り込んでいたが、同線が抵抗線に変わる形となった。来週の日米金融イベントを前にポジションをニュートラルに調整するうえでも、ショートカバーが入りやすいだろう。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。朝方は25日線が位置する14.04倍を上回り、一時14.13倍まで上昇した。ただし、200日線が上値抵抗線となる形で上げ幅を縮めていた。前日の反動もあってNT倍率は低下が見込まれるが、14.00倍辺りでの底堅さがみられる局面においては、NTショートを巻き戻す動きが意識されてきそうだ。