5日の市場は日経平均が続落。終値は前日比347円安の3万8490円だった。前日の米国株は反発したものの、外国為替市場で円相場が1ドル=154円台まで上昇したことや、前日の米半導体関連株の下げもあって売りが先行してしまった。下げ幅は一時500円近くに達する場面も。一方、米長期金利低下に合わせて日本でも長期金利(10年国債利回り)が低下。久々に1%台を下回りある程度相場を下支えている。
昨日の米国市場は雇用関連指標の落ち着きを好感してダウ平均は反発した。この日発表された4月の米雇用動態調査で非農業部門の求人件数が前月から減少。21年2月以来の低水準となった。雇用コストインフレの懸念が後退して長期金利は4.3%台まで低下し、当局の利下げへの期待が膨らんだ。一方、このところ米経済の減速を示す指標が相次ぎ相場の上値をやや重くさせている。インフレ低下には景気減速も欠かせず難しいところでもあるようだ。
さて、東京市場は円高が脚光を浴びるようになってきて新たなマイナス材料の消化という局面に。日米の金利差の大きさから一方的に円高が進むことはまったくないが、1ドル=160円を超える円安も当面はなくなったような状態だ。過度な円安期待で上げることはしばらくないだろう。国内では大手自動車の不正問題が響き物色難に。一番稼ぐセクターだけに日経平均の上値も重くなりそうだ。(ストック・データバンク 編集部)