株価指数先物【寄り前】 リバランス中心で25日線水準での攻防

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38440 -310 (-0.80%)
TOPIX先物 2759.5 -22.5 (-0.80%)
シカゴ日経平均先物 38425 -325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日に5月の米ISM製造業総合景況指数が予想を下回るなど、米経済の減速を示す指標の発表が相次ぐなか、売りが先行して始まった。その後発表された4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が805万9000件と前月(835万5000件)から減少し、約3年ぶりの低水準となった。労働市場の過熱感が薄れ、米連邦準備理事会(FRB)が利下げしやすくなると受け止められ、主力銘柄を中心に買いが広がった。S&P500業種別指数は電気通信サービス、家庭用品・パーソナル用品、不動産が上昇した半面、素材、銀行、エネルギーが下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比325円安の3万8425円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比100円安の3万8650円で始まり、3万8340円まで売られた。売り一巡後は買い戻しが入り、米国市場の取引開始直後には3万8560円まで下げ幅を縮めた。ただし、戻りの勢いは鈍く再びショート優勢から、中盤には3万8290円まで売られる場面もみられた。終盤のショートカバーにより3万8500円を回復する動きもあったが買いは続かず、3万8440円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時3万8290円まで売られ、その後下げ渋る場面もみられたが、25日移動平均線(3万8560円)水準に上値を抑えられる形となった。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8230円)が意識されやすく、節目の3万8000円のほか、-2σ(3万7900円)水準を狙った短期的なショートが入りやすいだろう。

米国市場では主要な株価指数が上昇したものの、日米長期金利の低下や1ドル=154円台と円高に振れてきており、来週の日米金融イベントを前にリバランスの動きが意識されている。日米金利差を狙ったポジションを圧縮する動きなども警戒され、ややショート優勢の流れになりそうだ。

日経225先物は-1σと25日線とでの推移から、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8500円のレンジを想定する。25日線を捉えてくる局面では、75日線と+1σが位置する権利行使価格の3万8875円狙い。一方で、-1σ水準を下回る局面では節目の3万8000円水準での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。基本的にはスキャルピング中心のトレードと考えられるため、ロング、ショートともに早めのクローズの動きになるだろう。

VIX指数は13.16(3日は13.11)に上昇した。一時14.08まで切り上がる場面もあったが、引き続き75日線(14.27)、200日線(14.57)が上値抵抗線として意識される形だった。25日線(13.06)が支持線となることでショートカバー狙いの動きはなさそうだが、75日線、200日線が抵抗線として機能している状況では、積極的にポジションをショートに傾けることは避けておきたい。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.92倍に上昇した。ボトム圏での小幅な反発であるため、NTショートを巻き戻す動きが強まる形ではないだろう。米国市場でエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われたほか、国内では政府が6月下旬にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、次世代半導体の量産の後押しに向けた法整備の方針を盛り込んだと報じられている。これを受けた半導体株の反応が限られるようだと、NTショートを巻き戻す動きは強まりづらい。