5日の株式相場見通し=続落、世界景気減速懸念と円高を嫌気

5日の東京株式市場は主力株をはじめ総じて売りに押される展開が想定され、日経平均株価は続落し3万8000円台半ばでの値動きが予想される。前日の欧州株市場では世界景気の先行き不透明感から主要国の株価指数がほぼ全面安商状となった。一方、米国株市場ではNYダウが反発に転じたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も取引終盤に買いが優勢となり小幅ながら続伸している。この日に発表された4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が3年2カ月ぶりの低水準となり、賃金インフレへの警戒感が後退した。FRBの早期利下げ観測が高まるなか米長期金利が一段と水準を切り下げ、金利敏感株を中心に買いが集まった。もっとも、ここにきて米国の経済指標が相次いで景気減速を示唆する内容を示していることは、市場センチメントを冷やす背景ともなっている。この日はダウがマイナス圏に沈む場面もあり、ナスダック指数の方は午後の取引中盤まで前日終値を下回る水準で推移した。東京市場では、日経平均が3万8000円台を中心とするもみ合いが1カ月以上続いており、なかなか方向感が出にくい状況にある。きょうは下げ止まらない米長期金利を背景に、外国為替市場では1ドル154円台までドル安・円高が続いており、これが半導体関連をはじめ輸出ハイテク株などにマイナスに作用し、全体相場の押し下げ要因となりそうだ。

4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比140ドル26セント高の3万8711ドル29セントと反発。ナスダック総合株価指数は同28.377ポイント高の1万6857.047だった。

日程面では、きょうは4月の毎月勤労統計が朝方取引開始前に発表される。また、この日はマーケットでも注目度の高いIPOが1社予定されており、アストロスケールホールディングス<186A>が東証グロース市場に新規上場する。海外では1~3月の豪国内総生産(GDP)、5月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月のADP全米雇用リポート、5月の米ISM非製造業景況感指数などが注目。また、カナダ中銀の政策金利発表も予定される。