株価指数先物【寄り前】 重要イベントを前にショートカバーを意識

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38730 +240 (+0.62%)
TOPIX先物 2791.5 +19.5 (+0.70%)
シカゴ日経平均先物 38635 +145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

5月31日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ判断で重視する4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、食品とエネルギーを除くコア価格指数が前月比0.2%上昇し、市場予想に一致した。PCEの結果を受けて、高インフレが続くとの懸念が和らぎ、米長期金利が低下し、主力株を中心に買いが広がった。S&P500業種別指数は電気通信サービス、不動産、銀行、ヘルスケア機器・サービス、耐久消費財・アパレルが上昇した半面、半導体・同製造装置、小売の2セクターが下落した。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比145円高の3万8635円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比60円安の3万8430円で始まり、3万8390円~3万8480円辺りで保ち合いを継続。中盤にかけて3万8690円まで買われた後、米国市場の取引開始時に下落に転じ、一時3万8280円まで下げ幅を広げた。売り一巡後は3万8300円~3万8400円辺りのレンジ推移をみせていたが、終盤にかけてロングが強まり上昇に転じると、3万8750円まで上げ幅を広げ、3万8730円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で買い先行で始まることになりそうだ。PCEの結果を受けて市場ではFRBが年後半に利下げを実施するとの観測が維持される形となった。波乱なく通過したこともあり、ナイトセッションではリバウンドの動きとなった。

日経225先物は5月30日に一時3万7610円まで下落し、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7580円)水準まで売られた後に-1σ(3万8000円)水準まで下落幅を縮め、31日は-1σを支持線としたリバウンドによって25日移動平均線(3万8470円)を捉えた。31日取引終了後のナイトセッションでは25日線を支持線に75日線(3万8870円)に接近する値動きだった。収斂をみせていたボリンジャーバンドは再び広がりをみせつつあり、トレンドが出やすいタイミングが近づいてきた。

6月11~12日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして、今週も経済指標の結果を受けた米長期金利の動向を睨みながら展開になりそうだ。ただし、先週は米当局者によるタカ派発言で長期金利が上昇し、相場の変動要因になっていたが、今週はブラックアウト期間(中銀関係者による金融政策に関する発言を禁じた期間)に入る。そのため、相場の波乱要因が減ることになる。

来週の重要イベントを前に、持ち高をニュートラルに戻すうえでショートカバーも意識されやすいだろう。そのため、25日線と75日線辺りでの推移を意識したオプション権利行使価格の3万8500円から3万8875円のレンジを想定する。権利行使価格の3万8750円辺りでの底堅さがみられる局面では、+2σが位置する権利行使価格の3万9250円とのレンジに切り上がろう。

31日のVIX指数は12.92(前日は14.47)に低下した。一時14.87まで上昇し、75日線(14.31)および200日線(14.61)を上回る場面もあったが、米長期金利の低下を受けて25日線(13.22)を下回ってきた。そのため、ショートカバーが意識されやすいと考えられる。

なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.88倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立つ一方で、PBR1倍割れなどバリュー株への物色により、相対的にTOPIX型優位の展開だった。月末のドレッシングやMSCIのリバランスの影響があったと考えられるが、200日線が抵抗線として機能する形で昨年12月以来の水準まで低下した。方向性としては昨年9月下旬に付けた13.55倍辺りを意識したトレンド形成となるため、NTショートによるスプレッド狙いが有効になりそうだ。