日経225先物 38000 -490 (-1.27%)
TOPIX先物 2726.0 -13.5 (-0.49%)
日経225先物(6月限)は前日比490円安の3万8000円で取引を終了。寄り付きは3万8040円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8315円)を大きく下回る形から、売り優勢で始まった。現物の寄り付き時に節目の3万8000円を割り込むと、下へのバイアスが強まり、前場中盤にかけて一時3万7610円まで売られる場面も見られた。売り一巡後はショートカバーとみられる動きにより下落幅を縮め、ランチタイムで3万8000円を回復。後場の取引開始直後に3万8110円と、朝方に付けた水準を上回る場面もあった。ただし、戻りは鈍く、終盤にかけては3万7900円~3万8040円辺りでの推移が続いた。
米長期金利が地区連銀経済報告(ベージュブック)を受けて5月上旬以来の高水準を付け、ドイツでは5月の消費者物価指数(CPI)の上振れにより、独長期金利が約半年ぶりの水準に上昇。そして国内でも日銀が金融政策の正常化を一段と進めるとの観測が強まるなか、10年物国債が13年ぶりに一時1.1%台を付けるなど、主要先進国の金利上昇が重荷となった。
また、グローベックスの主要な株価指数が下落して推移していることも、持ち高調整に向かわせたようだ。NYダウ先物は350ドル安、ナスダック100先物は120ポイントほど下落して推移している状況である。この流れを引き継ぐ形になると、ナイトセッションは波乱含みの展開が警戒されそうだ。
日経225先物は3万8000円を割り込んできたことで、ヘッジ対応のショートも入りやすく、下へのバイアスが強まった形であろう。主要先進国の金利上昇を受け、ファンドなどが持ち高調整を進めた影響ともみられる。ただし、一気にボリンジャーバンドの-2σ(3万7580円)水準まで下げたことで、いったんは売り一巡との見方となり、その後は-1σが位置する3万8000円を挟んだ狭いレンジでの推移が続いた。
まずは米国市場の動向を見極めたいところであろう。ナスダック指数は最高値圏で推移していることから利食いは入りやすいだろうが、NYダウは前日の下げで支持線として意識されていた25日移動平均線、75日線を明確に下抜ける形状となった。4月の直近安値水準に接近しており、同水準を下回ってくるようだと、センチメントを冷ます可能性がある。
レンジとしては-1σを中心とした-2σと25日線辺りでの推移が見込まれるため、オプション権利行使価格の3万7625円から3万8375円による推移を想定する。米国市場が引き続き弱い値動きとなり、下へのバイアスが強まる局面では-2σをブレイクし、-3σ水準の3万7280円辺りが意識される。もっとも、一気に-3σを捉えてくるようなら、調整一巡からのロング対応に向かわせよう。
なお、NT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下し、5月2日に付けた13.95倍を下回ってきている。アドバンテスト <6857> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]など指数インパクトの大きい代表的な値がさ株が総じて弱い値動きとなり、日経平均型の重荷となった。1月5日に付けた13.91倍に接近しており、ボトム形成となる可能性がある半面、これを下回ってくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうだ。
手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万3185枚、ソシエテジェネラル証券が2万2345枚、サスケハナ・ホンコンが8880枚、JPモルガン証券が4697枚、バークレイズ証券が3548枚、ゴールドマン証券が3425枚、SBI証券が2944枚、野村証券が2779枚、ビーオブエー証券が2316枚、日産証券が2233枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万9558枚、ソシエテジェネラル証券が2万6037枚、JPモルガン証券が9054枚、バークレイズ証券が6490枚、モルガンMUFG証券が6243枚、ゴールドマン証券が4646枚、ビーオブエー証券が4276枚、野村証券が3985枚、サスケハナ・ホンコンが3822枚、みずほ証券が2468枚だった。