明日の為替相場見通し=米国株安なら円売り圧力は一服か

今晩から明日にかけての外国為替市場のドル円相場は、米国の株価指数の動向をにらみながらの展開が想定される。30日の米国市場で米株安が一段と進行した場合は、円買い圧力を強めそうだ。予想レンジは1ドル=156円30銭~157円30銭。

セールスフォース<CRM>が29日の引け後に発表した24年2~4月期の決算は増収増益となった半面、5~7月期の売上高見通しは市場予想を下回った。同社はNYダウの構成銘柄だが、決算発表後の時間外取引で同社株は急落している。29日の東京市場では、米株価指数先物の下落を背景としたリスク回避ムードが円買い需要をもたらし、ドル円相場は1ドル=157円を割り込んだ。30日の米株式市場でNYダウが大幅安となった際には、ドル円相場に重荷となると予想される。米国では1~3月期のGDP(国内総生産)の改定値や、新規失業保険申請件数が公表される。米経済の底堅さが意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が一段と後退した際には、米金利に上昇圧力が掛かることも想定される。ニューヨーク連銀総裁などの講演も控えており、タカ派的な発言が出た場合の金利の反応が注視される。もっとも金利上昇を受けて米国株が下値を探る形となった場合、投資家のリスク許容度が一段と低下する恐れがある。市場のセンチメントの変化がドル円相場に及ぼす影響を見極めることが求められそうだ。

今晩はユーロ圏の5月景況感指数や、米国の4月卸売在庫なども公表される予定となっている。