東京株式(大引け)=502円安、国内外の長期金利上昇を警戒しリスク回避の売り

30日の東京株式市場はリスク回避ムードの強い地合いで、日経平均株価が一時900円超の下げに見舞われた。その後は下げ渋ったものの、500円あまりの下落で着地。3万8000円台はキープした。

大引けの日経平均株価は前営業日比502円74銭安の3万8054円13銭と3日続落。プライム市場の売買高概算は17億870万株、売買代金概算は4兆3985億円。値上がり銘柄数は982、対して値下がり銘柄数は615、変わらずは49銘柄だった。

きょうの東京市場は主力株中心に売り圧力の強い地合いだった。前日の欧州株市場が全面安だったことに加え、米国株市場でもNYダウが400ドルあまりの下げとなるなどリスクオフの展開で、この流れを引き継ぎ半導体関連など中心に値を下げ日経平均を押し下げた。欧米や日本国内で長期金利が上昇基調を強めており、これを嫌気する売りがかさんだ。米国ではFRB高官のタカ派的発言や米7年国債の入札が不調だったことなどが影響し、長期金利が4.6%台まで上昇、株式の相対的な割高感が意識された。また、日本でも日銀の金融政策正常化に向けた動きが早まることへの警戒感が強く、長期金利が一時1.1%台に乗せるなど、投資家心理を冷やした。売り一巡後は下げ幅を縮小したが、明日の都区部CPIや米PCEデフレータの発表を控え、押し目に買い向かう動きは限定的だった

個別では、売買代金首位となったディスコ<6146>、同2位のレーザーテック<6920>、同3位のソシオネクスト<6526>、同4位の東京エレクトロン<8035>と半導体関連が上位を独占したが、いずれも安い。また、アドバンテスト<6857>の下げが目立つ。東京電力ホールディングス<9501>、北海道電力<9509>が売られ、ここ強調展開にあったソフトバンクグループ<9984>も利益確定売りに押された。タマホーム<1419>が急落、グローバル・リンク・マネジメント<3486>、ミガロホールディングス<5535>も大幅安。

半面、ソニーグループ<6758>がしっかり、日本郵政<6178>が堅調、三菱重工業<7011>も買いが優勢だった。任天堂<7974>も値を上げた。アシックス<7936>が続伸、KOKUSAI ELECTRIC<6525>も高い。北越コーポレーション<3865>が値を飛ばし、アトラエ<6194>、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>も大きく上値を伸ばした。