30日の株式相場見通し=続落、世界的な金利上昇を嫌気

30日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いが想定され、日経平均株価は3日続落となりそうだ。目先は世界同時株安局面の様相を呈している。前日はアジア株市場で中国株市場を除き総じて下値を試す状況だったが、この流れを引き継ぎ欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめ全面安商状となった。この日に発表された5月の独消費者物価指数(CPI)が強い数字でインフレ懸念が再燃、独長期金利が上昇し投資家心理を冷やした。更に米国株市場ではNYダウが400ドルを超える大幅安となり、ここ最高値圏で強さを発揮していたハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。米株市場では再び長期金利が上昇基調を鮮明としており、前日は米10年債利回りが4.6%台まで水準を切り上げ株式の割高感が改めて意識されている。FRB高官によるタカ派的な発言が相次いだほか、国債入札も不調で金利上昇につながった。個別ではエヌビディア<NVDA>が全体相場に逆行し4日続伸と気を吐いたが、全体相場への貢献は限られた。東京市場では上値の重い展開が続いており、前日はプライム市場の8割以上の銘柄が下落するなど調整色を強めたが、きょうも一段と下値を探る地合いを余儀なくされそうだ。値ごろ感からの押し目買いも想定されるが、世界的に長期金利が上昇傾向を示すなか、日本でも前日に10年債利回りが1.075%まで上昇しており、買い手控えムードは拭えない。

29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比411ドル32セント安の3万8441ドル54セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同99.300ポイント安の1万6920.580だった。

日程面では、きょうは2年物国債の入札、4月の建機出荷など。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数など。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定。