5月の米消費者信頼感は予想上回る 4カ月ぶりの上昇

この日発表の5月の米消費者信頼感指数は102.0と予想を大きく上回り、4カ月ぶりに上昇に転じた。事業環境と労働市場に対するネガティブな見方が弱まった。現況指数は143.1と1月以来の上昇。期待指数も74.6と上昇幅は昨年7月以来最大となった。

ただ、同指数はここ数カ月は低下傾向が続いてきた。根強いインフレや過去最高水準にある家計債務、労働市場の軟化が背景にある。FRBが金利を高水準で維持していることもあり、消費者は総じて景気に対して悲観的だ。それは5月にも表れている。向こう1年間にリセッション(景気後退)が起きる可能性が高いとの回答比率は、前月に続き上昇した。

今回は労働市場と事業環境への見方が明るい材料となった一方、消費者はインフレと家計を巡り懸念を強めていることも示された。発表元のコンファレンスボードは「5月の回答を見ると、消費者は米経済に対する見方に最も大きな影響を与えた要素として物価、特に食品と雑貨を指摘した」と説明。

労働市場に対する見方は強弱まちまち。雇用が「豊富にある」との回答が減った一方、仕事が「見つけにくい」との回答の割合も低下した。