28日の東京株式市場は方向感の見えにくい地合いで、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。前日の米国株市場がメモリアルデーの祝日のため休場だったことで手掛かり材料に乏しく、取引時間中は米株価指数先物やアジア株市場の動向、またドル・円相場の値動きに左右されやすい。欧州株市場では英国市場がスプリング・バンク・ホリデーで休場だったが、ドイツDAXや仏CAC40はいずれも上昇した。この日発表された5月の独Ifo企業景況感指数は市場コンセンサスを下回ったことでECBによる利下げ期待を後押しする形となっている。東京市場では前日に日経平均株価が反発し、高値引けで3万8900円台まで水準を切り上げたが3万9000円近辺では戻り売り圧力も意識されやすく、きょうは材料難のなか狭いゾーンでの値動きが想定される。リスクオフの地合いではないものの、今週末に国内では5月の都区部消費者物価指数(CPI)、米国では5月のPCEデフレータの発表を控えており、積極的に上値を買い進む動きは見込みにくい。
日程面では、きょうは4月の企業向けサービス価格指数、4月の白物家電出荷額、基調的なインフレ率を捕捉するための指標など。また午前中に10年物クライメート・トランジション利付国債の入札が行われる。海外では3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、5月の米消費者信頼感指数、クックFRB理事のサンフランシスコ連銀主催イベントでの討議参加など。米2年物国債と米10年物国債の入札も予定されている。