来週のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測の後退を背景としたドル買いが続くかどうかが注目される。予想レンジは1ドル=156円00銭~158円00銭。
22日に公表された4月30日~5月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、参加者が根強いインフレ圧力を背景に現在の政策金利を長く維持する可能性を議論していたことが分かった。市場ではFRBの利下げ開始時期が遅れるとの見方が再び強まっており、日米金利差を意識したドル買い・円売りが入りやすい。日本政府・日銀による円買い介入への警戒感はあるものの、イエレン米財務長官の「為替介入はめったに使用されない手段であるべきで、介入に踏み切る際には十分な警告が発せられる必要がある」との発言がドル円相場を支えそうだ。ただ、31日に発表される5月の東京都区部消費者物価指数(CPI)コアの結果が強い内容となれば、日銀による追加の金融政策修正思惑から円が買われる可能性がある。
なお、来週に海外で発表される主な経済指標としては、27日に5月のドイツIFO企業景況感指数、28日に3月の米住宅価格指数と5月の米費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、29日に5月のドイツCPI速報値と米地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日に4月のユーロ圏失業率と1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値、31日に5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値と4月の米個人消費支出(PCE)など。国内では31日に4月の失業率と4月の鉱工業生産が公表される予定となっている。