株価指数先物【寄り前】 エヌビディア決算を評価した日経平均型優位の展開

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38770 +150 (+0.38%)
TOPIX先物 2739.5 +3.5 (+0.12%)
シカゴ日経平均先物 38635 +15
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日~5月1日開催分)で、参加者が強いインフレ警戒感と、政策金利をより長期に維持することが望ましいとの考えを示していたことが明らかになった。これを受けて景気敏感株を中心に持ち高調整や利益確定の売りが広がった。S&P500業種別指数は電気通信サービス、運輸、商業サービス・用品が上昇した一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、エネルギーが下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比15円高の3万8635円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万8610円で始まり、直後に付けた3万8460円を安値に買い戻され、米国市場の取引開始後には上昇に転じた。3万8700円水準まで買われた後は上値の重さが意識され、ロング解消の動きとなるなか3万8470円とナイトセッションの安値近辺まで売られる場面も見られた。ただし、終盤にかけては予想を上回る決算を発表したエヌビディア<NVDA>の時間外での上昇がロングに向かわせ、一気にプラス圏を回復。一時3万8800円まで買われ、3万8770円でナイトセッションの取引を終えた。

FOMC議事要旨については、このところFRB高官らによる利下げに慎重な発言が相次いでいたこともあり、織り込まれていると考えられる。そのため、米国市場の下落影響に対する警戒は過度に高まることはないだろう。一方で、多くの市場参加者が注目していたエヌビディアの2024年2-4月期決算は、売上高、利益とも四半期として過去最高となった。市場予想を上回る5-7月期の売上高見通しと、1株を10株に分割する計画を発表。時間外取引では7%近く買われており、東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する形になりそうだ。

日経225先物はナイトセッションで一時3万8460円まで売られ、75日移動平均線(3万8630円)を割り込む場面もあったが、その後の切り返しで同線を上回って終えた。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8750円)を回復しており、+2σ(3万9240円)とのレンジに戻るかが注目される。

買い一巡後は膠着感を強めてくる可能性があり、まずは+1σ水準での底堅さを見極めたいところで、同水準でのロング対応になりそうだ。その後はグローベックスのナスダック100先物の動向を睨んでの展開となろう。23日の米国市場ではエヌビディアの決算を評価した展開が意識されやすいため、ショートは仕掛けにくい。

+1σ水準での底堅い値動きをみせてくるようなら、オプション権利行使価格の3万8750円から3万9250円のレンジを想定。反対に+1σに上値を抑えられる局面ではエヌビディアの決算で材料出尽くしといったセンチメントに向かわせやすく、25日線を意識した権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定しておきたい。

22日のVIX指数は12.29(前日は11.86)に上昇した。前日には2019年11月以来の水準に低下していたこともあり、FOMC議事要旨を受けた自律反発であろう。主要株価指数が下落するなか、依然としてボトム圏での推移である。エヌビディアの決算を受けた半導体株物色が意識されるなか、ショートカバーを強めてくる可能性があるため、リスク選好の流れは継続しそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.11倍と小幅に上昇した。14.14倍辺りで推移する200日線が抵抗線として意識されている状況である。本日は東京エレクトロンなどの上昇から日経平均型優位の展開になりそうだが、ボトム圏で推移しているファーストリテイリング <9983> [東証P]が重荷となるようだと、引き続き200日線水準での攻防が見込まれる。