株価指数先物【寄り前】 抵抗線突破でショートカバーを誘う動きに

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38600 +290 (+0.75%)
TOPIX先物 2746.0 +17.5 (+0.64%)
シカゴ日経平均先物 38590 +280
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方発表された4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と市場予想(同0.3%上昇程度)を上回ったが、3月分が下方修正されたことで、過度な警戒感は薄れる形となった。PPI発表直後は米連邦準備理事会(FRB)による年後半の利下げ期待が後退し、米長期金利が上昇する場面も見られたが、その後金利が低下したことで、ハイテク株などに買いが向かった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、銀行が上昇した一方で、運輸、食品・飲料・タバコ、消費者サービスが上昇した。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比280円高の3万8590円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万8270円で始まり、3万8300円を挟んだ膠着が続くなか、一時3万8180円まで下げ幅を広げる場面もあった。米国市場の取引開始後に切り返してプラスに転じ、買い一巡後は3万8330円~3万8460円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れると3万8610円まで買われ、3万8600円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まりそうだ。ナスダック指数は続伸で4月半ば以来の最高値を更新しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。日経225先物は75日移動平均線(3万8400円)、25日線(3万8420円)処での保ち合いを経て、終盤にかけて両線を明確に上放れる形となった。

15日には4月の米消費者物価指数(CPI)と米小売売上高の発表が予定されているため、買い一巡後は次第に膠着感が強まる可能性はあるが、25日線が支持線として機能するようだと、ショートカバーを誘う動きをみせてきそうだ。抵抗線突破によってボリンジャーバンドの+1σ(3万9130円)とのレンジに移行する可能性が意識されそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8375円から3万8875円のレンジを想定する。買い一巡後の膠着で25日線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、米国ではマイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株の一角が堅調だったこともあり、東京エレクトロン <8035> [東証P]などがリバウンドを強めてくるようだと、日経225先物は+1σをターゲットとしたロングが強まる可能性もあるだろう。

14日のVIX指数は13.42(前日は13.60)に低下した。一時14.03まで上昇する場面も見られたが、その後は下げに転じていた。ただし、前日の安値(13.25)は上回っているためリバウンド基調は継続。CPIの結果次第では、14.86辺りで推移している200日線辺りまでの上昇を引き続き警戒しておいた方が良さそうである。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇しており、14.00倍処での底固めをみせていた。本日はナスダック指数が最高値を更新した流れを受けて、やや日経平均型優位の展開が見込まれ、NTショートを巻き戻す動きが入る可能性がある。ただし、方向性としては下向きで推移しているため、NTロングに切り替える動きは限られそうだ。