ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ECB追加利上げ後の景気悪化を警戒

■強含み、ECBによる追加利上げの思惑強まる

今週のユーロ・ドルは強含み。米追加利上げを警戒して週前半はユーロ買い・米ドル売りは抑制されたが、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ観測は根強く、ユーロ売りは縮小。6月8日に発表された米新規失業保険申請件数は急増したことから、ユーロ買い・米ドル売りがやや強まり、ユーロ・ドルは一時1.0787ドルまでユーロ高・米ドル安に振れる場面があった。取引レンジ:1.0668ドル-1.0787ドル。

「伸び悩みか、ECB追加利上げも米7月利上げの思惑残る

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。6月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で利上げは見送られる一方、15日の欧州中央銀行(ECB)理事会で追加利上げが予想され、ユーロ買い・ドル売りに振れやすい。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)は7月に利上げを再開する可能性があるため、小売売上高など経済指標が良好だった場合、ユーロ買い・米ドル売りは縮小する可能性がある。

予想レンジ:1.0600ドル-1.0900ドル

■伸び悩み、ECB追加利上げ観測が下支え

今週のユーロ・円は伸び悩み。ウクライナ戦争の長期化は警戒されたことや5月米ISM非製造業景況指数の予想外の低下による景気減速懸念などで、リスク回避的なユーロ売り・円買いが観測された。ただ、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ観測は後退せず、6月米利上げ観測は後退したことから、ユーロ買い・米ドル売りがやや強まり、この影響でリスク回避的なユーロ売り・円買いは縮小した。取引レンジ:148円64銭-150円44銭。

■伸び悩みか、ECB追加利上げ後の景気悪化を警戒

来週のユーロ・円は伸び悩みか。ユーロ圏のインフレ鎮静化は顕著だが、欧州中央銀行(ECB)の物価目標上限を上回っているため、6月15日開催のECB理事会で追加利上げを決定する見通し。それを受けユーロ・円は一段高が期待されるが、景気悪化によりユーロは利益確定売りが強まりやすい。また、ウクライナ戦争の長期化による地政学リスクの増大も懸念されそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・15日:欧州中央銀行(ECB)理事会(追加利上げの可能性)

予想レンジ:148円00銭-151円00銭

《FA》