株価指数先物【引け後コメント】 押し目買いの意欲は強く、ショートに傾ける戦略は控えたい

大阪6月限
日経225先物 31380 +80 (+0.25%)
TOPIX先物 2161.0 -0.5 (-0.02%)

日経225先物(6月限)は、前日比80円高の3万1380円で取引を終了。寄り付きは3万1270円と小幅ながら売り先行で始まった。押し目待ち狙いの買い意欲は強く、現物の寄り付き後に3万1390円まで買われ、ナイトセッションで付けた高値3万1380円を上回る場面も見られた。ただし、市場参加者が限られるなかで短期筋の売買に振らされやすく、前場終盤にはショート優勢となり、3万1060円まで売られた。しかし、売り一巡後は3万1100円水準での底堅さが見られるなか、後場は再びリバウンド基調が強まり、終盤にかけて3万1300円~3万1380円辺りのレンジで推移。短期的な売買に振られたものの、日中の高値圏で取引を終えた。

東証プライムの売買高は連日で12億株を下回り、売買代金は辛うじて3兆円を超える薄商いだった。そのなかで、引き続きアドバンテスト <6857> [東証P]が連日で最高値を更新し、指数をけん引した。また、ファーストリテイリング <9983> [東証P]やファナック <6954> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が堅調だったため、日経平均型のインデックス買いが断続的に入っていたようだ。前場の段階で4%を超える下落となったソフトバンクグループ <9984> [東証P]が、後場は買い戻されたことも、ショートカバーに向かわせたようである。

日経225先物は3万1000円近辺で累積出来高が積み上がっているため、3万1000円を下回ってくる場面では、ショートが入りやすく、ロングの調整売りにつながる可能性があった。ただし、この水準に接近する場面での押し目待ち狙いの買い意欲は強く、結局はその後のショートカバーにつながっていた。過熱感が警戒されるなか、上値の重さが意識される局面ではショートが入りやすいが、積極的にショートに傾ける戦略は控えたいところだ。

グローベックスの米株先物は、主要な株価指数先物がプラス圏で推移しており、相対的にナスダック100先物の強い動きが目立つ。台湾で開幕したICT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2023」で、AIに関連する新たな製品・サービスを発表したエヌビディア<NVDA>が強い動きをみせてくるようだと、日経平均型優位の展開が継続しそうだ。

NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。昨年8月の戻り高値14.58倍辺りが目先的なターゲットとして意識されやすく、利益確定に伴うNTロングの巻き戻しは入りやすいだろう。ただし、主力ハイテク株への物色が続くなか、リバランスを交えながらも、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。

手口面では、日経225先物はソジェンが740枚、ABNアムロが420枚、みずほが360枚、BofAが340枚程度の売り越しに対して、野村が610枚、JPモルガンが400枚、楽天が290枚、ゴールドマンが240枚程度の買い越しだった。野村はレバETFなどのショート対応に伴う調整買いとみられるほか、JPモルガンは期先をショートしている。TOPIX先物はみずほが3150枚、ソジェンが1620枚、ABNアムロが1590枚、JPモルガンが1400枚程度の売り越しに対して、UBSが2660枚、シティが1700枚、BNPパリバが1430枚、HSBCが1030枚程度の買い越しだった。